新収 六朝江南地域史研究 ― 2007/01/04 03:00
中村圭爾『六朝江南地域史研究』汲古書院、2006年10月
序章 六朝江南地域史研究史
第一編 江南社会と流民
第二編 江南の開発と地域性
第三編 江南六朝墓と出土品
第四編 建康研究
附編
現代の代表的な南北朝史研究者の南朝社会論。全体で四編、十六章にわかれる。少しでも読んでからここに一筆書こうと思ったが当分その余裕がなさそうなのでまずは紹介。少し見ただけでも内容充実。読むにはじゅうぶんな時間が必要だ。
序章 六朝江南地域史研究史
第一編 江南社会と流民
第二編 江南の開発と地域性
第三編 江南六朝墓と出土品
第四編 建康研究
附編
現代の代表的な南北朝史研究者の南朝社会論。全体で四編、十六章にわかれる。少しでも読んでからここに一筆書こうと思ったが当分その余裕がなさそうなのでまずは紹介。少し見ただけでも内容充実。読むにはじゅうぶんな時間が必要だ。
新収 道蔵研究論文集・道家思想と道教 ― 2007/01/09 23:50
陳国符『道蔵研究論文集』上海古籍出版社、2004年4月
道教史・煉丹研究の専論。陳国符氏が道教史の専家であったことはしっていたが、おくればせながら化学の専家だったことを知った。
煉丹及び本草関連の論考を8点、道教音楽史関連を4点収録。
楠山春樹『道家思想と道教』平河出版社、1992年
27編の論文を収録。敦煌関係の論文として
「概説 敦煌本道徳経類(本文・注釈・解題)」
「敦煌遺書「太平部巻第二」について」
がふくまれている。
道教史・煉丹研究の専論。陳国符氏が道教史の専家であったことはしっていたが、おくればせながら化学の専家だったことを知った。
煉丹及び本草関連の論考を8点、道教音楽史関連を4点収録。
楠山春樹『道家思想と道教』平河出版社、1992年
27編の論文を収録。敦煌関係の論文として
「概説 敦煌本道徳経類(本文・注釈・解題)」
「敦煌遺書「太平部巻第二」について」
がふくまれている。
新収 フーコー・ガイドブック ― 2007/01/15 03:42
ミシェル・フーコー 小林康夫・石田英敬・松浦寿輝編
『フーコー・ガイドブック』(ちくま学芸文庫、2006年11月)
「フーコーの著作を読むための『入門書』」。
まだ途中までしかよんでないが、この本はよみやすい。
学生時代、フーコーの著作の訳書を何冊か読んだのだが、迷路に入ったようにおもうことがあり、訳がおかしいのでは・・・と訳者に責任転嫁してみること、しばしばだった。その調子で、まあいいやと読み飛ばしていくうちに、訳書を放り出したくなったことがある。
しかし、こういうすばらしいガイドブックがあると再読してみようという気にもなる。文庫本だし、なにかエッセンスが抽出されている気がして、なるほどそうだったのかと言う感じで読めそう。
実際のところ、年度末にむかって、なかなかそんな時間はない。
『フーコー・ガイドブック』(ちくま学芸文庫、2006年11月)
「フーコーの著作を読むための『入門書』」。
まだ途中までしかよんでないが、この本はよみやすい。
学生時代、フーコーの著作の訳書を何冊か読んだのだが、迷路に入ったようにおもうことがあり、訳がおかしいのでは・・・と訳者に責任転嫁してみること、しばしばだった。その調子で、まあいいやと読み飛ばしていくうちに、訳書を放り出したくなったことがある。
しかし、こういうすばらしいガイドブックがあると再読してみようという気にもなる。文庫本だし、なにかエッセンスが抽出されている気がして、なるほどそうだったのかと言う感じで読めそう。
実際のところ、年度末にむかって、なかなかそんな時間はない。
新収 装束の日本史 ― 2007/01/16 03:04
近藤好和『装束の日本史』(平凡社新書、2007年1月)
著者は武具や戦闘と歴史学という観点からすでに著書を何冊か書いており、以前ここに書名をあげたことがある。
本書はそうした武具が主体でなく、有職故実のごく一般向けの解説書である。東アジアの服装史という点から気軽に開いて、あれやこれや考えてみると楽しいだろうと思って購入した。
私の現状はさまざまな締め切りや仕事におわれていて「楽しいだろう」はしばらく実現できない。でもそういうときに限って本を読みたくなると言う心境は、このページに行き着いたような人には納得できるでしょう。
実は他数冊購入したが、紹介はしばらくあとになりそう。
著者は武具や戦闘と歴史学という観点からすでに著書を何冊か書いており、以前ここに書名をあげたことがある。
本書はそうした武具が主体でなく、有職故実のごく一般向けの解説書である。東アジアの服装史という点から気軽に開いて、あれやこれや考えてみると楽しいだろうと思って購入した。
私の現状はさまざまな締め切りや仕事におわれていて「楽しいだろう」はしばらく実現できない。でもそういうときに限って本を読みたくなると言う心境は、このページに行き着いたような人には納得できるでしょう。
実は他数冊購入したが、紹介はしばらくあとになりそう。
新収 (新版)歴史のための弁明 ― 2007/01/16 03:35
マルク・ブロック著、松村剛訳『歴史のための弁明』(岩波書店、2004年5月第3版)
かつて旧版の讃井訳を何度も読んだことがあり、「新版」をかうにはおよぶまいと思っていたが、生協で岩波15%引きセール中だったので購入。のっけから私の弁明であるが、まだ、あとがきしかよんでいない。
マルク・ブロックはいわずとしれたフランスの歴史家で、ドイツ軍占領下でレジスタンス活動に参加して銃殺されたため、本書はリュシアン・フェーブルの手によって出された。旧版・讃井訳はそれにもとづく。
ところが近年、奇跡的に原稿がでてきて、それを子息が整理したところ、出版されたものは、ずいぶんとリュシアン・フェーブルが手を入れていたことがわかった。誤りもあってブロックの原稿を忠実に反映していなかったので本書はそれを修正、整理したので(新版)と銘打つ。なお、ブロックもフェーブルもアナール学派の大御所。
まあいずれ読みなおすことはまちがいない。
かつて旧版の讃井訳を何度も読んだことがあり、「新版」をかうにはおよぶまいと思っていたが、生協で岩波15%引きセール中だったので購入。のっけから私の弁明であるが、まだ、あとがきしかよんでいない。
マルク・ブロックはいわずとしれたフランスの歴史家で、ドイツ軍占領下でレジスタンス活動に参加して銃殺されたため、本書はリュシアン・フェーブルの手によって出された。旧版・讃井訳はそれにもとづく。
ところが近年、奇跡的に原稿がでてきて、それを子息が整理したところ、出版されたものは、ずいぶんとリュシアン・フェーブルが手を入れていたことがわかった。誤りもあってブロックの原稿を忠実に反映していなかったので本書はそれを修正、整理したので(新版)と銘打つ。なお、ブロックもフェーブルもアナール学派の大御所。
まあいずれ読みなおすことはまちがいない。
新収 敦煌研究 2006-6 ― 2007/01/22 20:49
『敦煌研究』 2006-6、敦煌研究院。
収録されている多くの論文のうち気になった論文は以下の通り。
上原和著、于冬梅・趙声良訳「龍門石窟古陽洞開鑿的年代(上)」
鄭炳林「敦煌写本邈真讃所見真堂及其相関問題研究」
郝春文「再論北朝至隋唐五代宋初的女人結社」
李并成、解梅「敦煌帰義軍曹氏統治者果為粟特後裔嗎」
王素等編「故宮博物院蔵敦煌吐魯番文献目録」
収録されている多くの論文のうち気になった論文は以下の通り。
上原和著、于冬梅・趙声良訳「龍門石窟古陽洞開鑿的年代(上)」
鄭炳林「敦煌写本邈真讃所見真堂及其相関問題研究」
郝春文「再論北朝至隋唐五代宋初的女人結社」
李并成、解梅「敦煌帰義軍曹氏統治者果為粟特後裔嗎」
王素等編「故宮博物院蔵敦煌吐魯番文献目録」
新収 文物2006-12 ― 2007/01/22 23:09
『文物』2006年第12期、文物出版社。
ここでとりあげるのは四本。
・洛陽華山路西晋墓発掘簡報(2004年12月発掘)
・洛陽太原路西晋発掘簡報(2005年11月発掘)
以上、2本をざっとみた。ともに墓葬の年代比定の際に朱亮、李徳芳「洛陽魏晋墓葬分期的初歩研究」(『洛陽考古四十年』、科学出版社1996)がつかわれているというのがポイントか。
・偃師前杜楼北魏石棺墓発掘簡報(2005年11月発掘)
生前の生活をおもわせるような俑が副葬品として何体か出土している。ぱっと見、細身ではあるが泥臭さがあって、個人的にはなぜかうれしい。これは北朝だなという感じである(いい加減な感想ですね)
・山東東平洪頂山摩崖刻経考察(2003~2004調査)
北朝の摩崖刻経に関する考察。本稿にも引用されているように「僧安堂壹」や山東の北朝摩崖に関する考察はかなり多いが、以前、明治大学の一行が同じ場所で調査・見学をした話を石刻研で聴いた記憶だ。
この論文によるとこれからデータベースを構築し、3Dのコンピュータグラフィックスで崖面を再現、あれこれ分析を加えるらしい。大がかりな話である。
そういえば、ずいぶん前から出版されると聞いていた魏晋南北朝壁画墓をあつかった蘇哲先生の本が出版された模様である。
ここでとりあげるのは四本。
・洛陽華山路西晋墓発掘簡報(2004年12月発掘)
・洛陽太原路西晋発掘簡報(2005年11月発掘)
以上、2本をざっとみた。ともに墓葬の年代比定の際に朱亮、李徳芳「洛陽魏晋墓葬分期的初歩研究」(『洛陽考古四十年』、科学出版社1996)がつかわれているというのがポイントか。
・偃師前杜楼北魏石棺墓発掘簡報(2005年11月発掘)
生前の生活をおもわせるような俑が副葬品として何体か出土している。ぱっと見、細身ではあるが泥臭さがあって、個人的にはなぜかうれしい。これは北朝だなという感じである(いい加減な感想ですね)
・山東東平洪頂山摩崖刻経考察(2003~2004調査)
北朝の摩崖刻経に関する考察。本稿にも引用されているように「僧安堂壹」や山東の北朝摩崖に関する考察はかなり多いが、以前、明治大学の一行が同じ場所で調査・見学をした話を石刻研で聴いた記憶だ。
この論文によるとこれからデータベースを構築し、3Dのコンピュータグラフィックスで崖面を再現、あれこれ分析を加えるらしい。大がかりな話である。
そういえば、ずいぶん前から出版されると聞いていた魏晋南北朝壁画墓をあつかった蘇哲先生の本が出版された模様である。
新収 咸陽十六国墓 ― 2007/01/24 02:18
咸陽市文物考古研究所『咸陽十六国墓』文物出版社、2006年10月
咸陽市内またはその附近の4地区から発掘された五胡十六国時代の墓葬に関する報告。4地区とは咸陽師範学院、文林小区、中鉄七局、平陵。西晋、前趙、後趙、前秦期のものとみなされる二四座の墓葬が対象になっている。
本書には副葬品の俑の写真が多数掲載されている。人馬や生活用具をかたどった素朴なものがおおく、なかでも目を引くのは本書の表紙にもなっている鎧装した馬の俑である。
胡人俑とされるものがあるが、すくなくとも写真を見ただけではどうしてこれを胡人俑と呼ぶのかはわからない。とんがり帽子をかぶっているようにみえるからだろうか。ただそれだけで、その判断はいかがなものか・・・。
他に文字の刻まれた磚や漢字が刻まれた印章が数点あり、特に考証が付されている。なお「建元十四年」の紀年のある銘があり、それは西暦378年に比定されている。
私的にはこの本の引用文献にすこし注目である。五胡十六国時代の出土資料に関する先行研究にどのようなものがあり、どのようにつかわれているかが(少なくとも中国のもの限っては)おおよそ把握できるからである。
関尾先生のブログのエントリ
http://sekio516.exblog.jp/4902043/
書店による紹介文
http://www.ato-shoten.co.jp/blog/2007/01/10189656.html
http://www.chugoku-shoten.com/mokuji/cmokuji/37406/37406.html
咸陽市内またはその附近の4地区から発掘された五胡十六国時代の墓葬に関する報告。4地区とは咸陽師範学院、文林小区、中鉄七局、平陵。西晋、前趙、後趙、前秦期のものとみなされる二四座の墓葬が対象になっている。
本書には副葬品の俑の写真が多数掲載されている。人馬や生活用具をかたどった素朴なものがおおく、なかでも目を引くのは本書の表紙にもなっている鎧装した馬の俑である。
胡人俑とされるものがあるが、すくなくとも写真を見ただけではどうしてこれを胡人俑と呼ぶのかはわからない。とんがり帽子をかぶっているようにみえるからだろうか。ただそれだけで、その判断はいかがなものか・・・。
他に文字の刻まれた磚や漢字が刻まれた印章が数点あり、特に考証が付されている。なお「建元十四年」の紀年のある銘があり、それは西暦378年に比定されている。
私的にはこの本の引用文献にすこし注目である。五胡十六国時代の出土資料に関する先行研究にどのようなものがあり、どのようにつかわれているかが(少なくとも中国のもの限っては)おおよそ把握できるからである。
関尾先生のブログのエントリ
http://sekio516.exblog.jp/4902043/
書店による紹介文
http://www.ato-shoten.co.jp/blog/2007/01/10189656.html
http://www.chugoku-shoten.com/mokuji/cmokuji/37406/37406.html
新収 十六国春秋 ― 2007/01/24 21:58
欽定四庫全書薈要『十六国春秋』吉林出版集団有限責任公司、2005年5月。
影印だとはわかっていたが、『十六国春秋』の単行本はめずらしいので、どんな解説がかいてあるのだろうという興味もあって購入。
しかし、大いに後悔した。ネットで買うと中身を十分確認できないので、こういうものも買ってしまうという類のもの。薈要に関する解説はついているが(おそらくこのシリーズ共通の解説、けっこうアバウト)、『十六国春秋』に関する解説はない。まあもともと薈要には書籍解題に当たる四庫提要の文が掲げてあるわけだが・・・
あきれてしまうのは表紙にも扉にも「実明・屠喬、孫項琳所仮託」と記されていること。思うに「実明・屠喬孫、項琳所仮託」とするのがただしいネ。ついでに「仮託」って書いたら「実」はいらないとおもうゾ。・・・・
なんかコピー代を払った上に、研究への無理解までむけられた気分である。
影印だとはわかっていたが、『十六国春秋』の単行本はめずらしいので、どんな解説がかいてあるのだろうという興味もあって購入。
しかし、大いに後悔した。ネットで買うと中身を十分確認できないので、こういうものも買ってしまうという類のもの。薈要に関する解説はついているが(おそらくこのシリーズ共通の解説、けっこうアバウト)、『十六国春秋』に関する解説はない。まあもともと薈要には書籍解題に当たる四庫提要の文が掲げてあるわけだが・・・
あきれてしまうのは表紙にも扉にも「実明・屠喬、孫項琳所仮託」と記されていること。思うに「実明・屠喬孫、項琳所仮託」とするのがただしいネ。ついでに「仮託」って書いたら「実」はいらないとおもうゾ。・・・・
なんかコピー代を払った上に、研究への無理解までむけられた気分である。
新収 北魏女主論 ― 2007/01/24 22:44
宋其蕤『北魏女主論』、中国社会科学出版社、2006年11月
テーマとしてはおもしろい。・・・・・。テーマも筆者も編集者も女性というのがポイントか。
テーマとしてはおもしろい。・・・・・。テーマも筆者も編集者も女性というのがポイントか。