新収 東方学 第百十三輯2007/03/16 18:58

『東方学』第百十三輯、東方学会、2007年1月。

数日前に届いた。
以下の論文、報告に特に関心を持った。

佐藤賢、もう一つの漢魏交替-北魏道武帝期における「魏」号制定問題をめぐって
石川巌、敦煌出土チベット語予言書『衰退期』の宗教史的意義

丸山宏、ヨーロッパにおける道教研究の成果
石見清裕、内蒙古・山西・寧夏・陝西・甘粛調査(二〇〇五-〇六年)

石見先生の報告の一部にもある「北魏の六鎮」に関しては山下将司、平田陽一郎氏から報告を聴かせていただいたことがある。科研費基盤研究A「シルクロード東部地域における貿易と文化交流の諸相」(代表:森安孝夫)の一環だという。ソグド人や北朝史が気になる人は必見の内容である。

新収 古代東アジアの出土資料と情報伝達2007/03/16 19:19

藤田勝久(代表)『古代東アジアの出土資料と情報伝達』、特別推進研究プロジェクトの概要―平成18年度・愛媛大学研究開発支援経費、愛媛大学法文学部、2007年3月。

松原弘宣、古代における情報伝達と交通
小林昌二、日本古代における『私信』の情報伝達
藤田勝久、張家山漢簡『津関令』と詔書の伝達
關尾史郎、トゥルファン出土文書よりみた麹氏高昌国の行政システムと上奏文書
大平聡、日本古代の文書行政と音声言語
加藤友康、古代文書にみえる情報伝達
藤田高夫、公開シンポジウム「古代東アジアの社会と情報伝達」へのコメント
市大樹、コメント:藤原京左京七条一坊西南坪出土の門牓木簡の紹介
江嶋俊也、公開シンポジウム「古代東アジアの社会と情報伝達」に参加して

ここにも名前のあがっている関尾先生が複数おもちとかで、一部いただいた。とくに興味深い内容なので目次をあげて紹介。しかし、市販されていないし、雜誌でもないので国会図書館や大学図書館経由でも入手困難かもしれない。

3/19
「入手困難かもしれない」と書いてしまったのはもうしわけないというか、どうしようかという感じなのだが、藤田先生から『古代東アジアの出土資料と情報伝達』をいただいた。ありがとうございました。と、いうことなので、今度研究会か学会のおりに関連分野のどなたかに1冊をお譲りしようと思ってます。

宣伝 敦煌本『新修本草』校注初稿2007/03/16 19:41

岩本篤志「敦煌本『新修本草』校注初稿」、資料学研究、第4号、99~125頁、2007年3月。

「すでに『新修本草』については仁和寺の残巻や敦煌文献などの釈文が作成・公表され、中国と日本でそれぞれ復原本が出版されている。しかし、敦煌文献『新修本草』残巻にかぎっては十分に研究されてきたとは言えない。・・・・・・実際の写本は白黒写真やマイクロフィルムと異なり、墨跡が鮮明である。気づいたのは、広く流通している釈文には誤脱、誤読、行数の数え間違いなどがみられるということであった。・・・」(はじめにより抜粋)

資料学研究、第4号の目次はこちら。
http://sekio516.exblog.jp/5340376

さて次は「越後文書宝翰集 古文書学入門」を紹介の予定だがちょっと一息。