新収 法国漢学2008/02/02 17:32

法国漢学叢書編輯委員会『法国漢学』-敦煌学専号-、第5輯、中華書局、2000年11月。
法国漢学叢書編輯委員会『法国漢学』-宗教史専号-、第7輯、中華書局、2002年12月。
法国漢学叢書編輯委員会『法国漢学』-考古発掘与歴史復原-、第11輯、中華書局、2006年12月。
 
法国漢学はフランス東洋学の成果を中国語で公刊する叢書。
関係URL: http://www.efeo.fr/

ちなみに第10輯は『粟特人在中国』(2005年12月)で入手済み。実は第5輯も購入済みであったのでダブってしまった。第11輯はタイトルのみを見て購入したが、エジプトや東南アジアの考古まで含まれており、私の関心範囲を越えたものが多い。関心のある論文のタイトルだけ、ここに書き込んでおく。

第5輯
 戴仁 (Jean-Pierre Drège)、敦煌写本中的贋品
 石内徳 (Richard Schneider)、敦煌文献中被廃棄的残経抄本
 蘇遠鳴 (Michel Soymié)、中国避諱略述
 童丕 (Eric Trombert)、従寺院的帳簿看敦煌二月八日節
 王微 (Francoise Wang-Toutain)、春祭-二月八日節的仏教儀式
 艾麗白 (Danielle Eliasberg) 、上古和中古時代中国的動物喪葬活動
 茅甘 (Carole Morgan)、論唐宋的墓葬刻石
 馬克 (Marc Kalinowski)、敦煌数占小考
 彼諾(Geroges -Jean Pinault)、西域的吐火羅語写本与仏教文献
 安・克麗絲蒂娜・謝勒肖布 (Cristina A.Scherrer-Schaub)、敦煌与塔波古蔵文写本研究的方法論問題
 法国学者敦煌学論著目録

第7輯
 石泰安(Rolf.A.Stein)、二至七世紀的道教和民間宗教
 戴密微(Paul Henri Demiéville)、中国歴史上的“会昌滅仏”
 蘇遠鳴 (Michel Soymié)、「血盆経」資料研究
 穆瑞明 (Christine Mollier)、道教和仏教的“厨経”

第11輯
 戴寇琳(Corinne Debaine-Francfort)、伊弟利斯・阿不都熱蘇勒(Abduressul Idriss)、在塔克拉瑪干的沙漠里:公元初年絲綢之路開辟之前克里雅河谷消逝的緑洲-記中法新疆聯合考古工作

新収 Images de Dunhuang2008/02/03 00:56

Jean-Pierre Drège [ed], Images de Dunhuang : Dessins et peintures sur papier des fonds Pelliot et Stein, École française d'Extrême-Orient,Paris,1999.

 論文3本はフランス語、2本は英語。Mémoires archéologiques 24.
ペリオ(BnF、Musée Guimet)とスタイン(BL、BM)の敦煌コレクションによる紙に書かれた絵画や下書き、落書き等の研究論文集。図版多数。

 白黒図版が多いが、なかに非常に鮮明で大きなカラー図版が含まれているので以下に文書番号をあげる(複数になったものもある)。

P.4518、P.4045、P.T.1122、P.4517、P.3995、P.4518、P.2876、P.4098、P.4518、P.2683、P.2013、P.4519、P.2683、P.2682、P.2003

 なお、巻末に言及された、もしくは図版があげられた文書番号のインデックスが付されている。
 偶然、フランスの中国学関係が3連続になった。いろんなところにバラバラに掲載されると国内ですら探すのは難しいが、成果がまとまっているものは目につきやすい。

 あいかわらずここに書くものは9割9分、私費で買ってます。

新収 Les Aspects Économiques du Bouddhisme dans la Société Chinoise ..2008/02/04 19:36

Jacques Gernet,Les Aspects Économiques du Bouddhisme dans la Société Chinoise du Ve au Xe siècle, École Française d'Extrême-Orient, Saigon ,1956.

往年の名著。異常に安価だったので購入してみたら、バリバリの酸性紙。しかも誰にも読まれてこなかったらしく、ページが「切れてない」。切りながら頁を開いていくのもよいものだが、開くたびに本が壊れそう。これどうやって保管しようか、という状態なので、結局、翻訳をみる。実は翻訳の方が史料原文の全体がわかるので数段便利。

謝和耐(著)耿昇(訳)『中国5-10世紀的寺院経済』上海古籍出版社、2004年。

P.S. ある人によると、かの国ではペーパーバックで買って、好みの製本を製本屋に頼むものだから、表紙はそんなものだということであった(他のはここまででないが)。そこで表紙をとりのぞき、簡易製本をしなおした。とりあえず使えるようになった。

新収 複印報刊資料 魏晋南北朝隋唐史 2008年第1期2008/02/07 20:46

中国人民大学『複印報刊資料・魏晋南北朝隋唐史』2008年第1期。

例によって個人的な関心によって抜き出したもの。

苗霖霖、北魏鮮卑婦女社会地位初探
趙雪野、従画像磚看河西魏晋社会生活
高丹丹、吐魯番出土『某氏族譜』与高昌王国的家族婚姻-宋民家族為例
前島佳孝、2005年日本的魏晋南北朝史研究
牟発松、従南北朝到隋唐-唐代南朝化傾向再論
程錦・張雨 2006年隋唐五代史研究綜述

新収 西域研究 2008年第1期2008/02/07 21:00

新疆社会科学院、『西域研究』 2008年第1期、2008年1月。

なかなか見逃せない論文がたくさん。他にも北朝隋唐、敦煌吐魯番関連論文有り。

殷晴、物種源流辨析-漢唐時期園芸業的発展及有関問題
姚崇新、在宗教与世俗之間-従新出吐魯番文書看高昌国僧尼的社会角色
林暁洁(水+吉、jie)、唐代西州官吏日常生活的時与空
徐暢、敦煌吐魯番出土文献所見唐代城主新議

「学術信息」の以下の記事も注目される。
新疆文物考古研究所等「新疆庫車県発現十六国時期漢式磚室墓」

二頁ほどの記事から、おおまかに抜き出すと以下のようなことが書いてある。
 2007年8~9月、新疆庫車県、友誼路の地下街建設工事の際に磚室墓7座、小型竪穴墓3座が発見された。磚室墓には金と漆が塗られた木棺や多くの副葬品、そして彩色壁画もみつかり、さらに墓室入り口の上には磚が積み上げられ、その磚に四神など瑞獣が描かれていた。
 また、磚室墓の形制は河南・陝西・山西・江蘇・山東・甘粛・青海から見つかっている十六国墓に似ており、墓葬の構造や磚などの用材、出土品は酒泉・嘉峪関の魏晋壁画墓や敦煌仏爺廟湾墓地に近く、晋十六国時期、3~4世紀前後の墓葬と考えられる。また中原文化を色濃く反映していることから被葬者像が推測できるのではないか、とする。

 地層や炭素測定法による科学分析もはじめられているようで、今後詳細な報告がまたれる。

また「図書評介」は以下の記事あり。
劉進宝、盧向前『唐代西州土地関係述論』評介

なお、上記のうち、林さんの名前の一部が表示され無い可能性があります。このBlogはUnicode対応で、字が抜けている箇所にもコードはちゃんと入ってますが、ブラウズ側のフォントによって表示されないことがあるようです。

新収 Etudes de Dunhuang et Turfan2008/02/08 08:25

Jean-Pierre Drège(ed.) ,Études de Dunhuang et Turfan,Librairie Droz,Geneve,2007.2

 フランス語。異なる著者による論文11本が収録される。Hautes études orientales 41。タイトルは「敦煌吐魯番研究」といったところ。中国語で出版されている法国漢学叢書の源になっているのはこのシリーズであろう。もちろん本書の論文の翻訳はまだないし、両誌が必ずしも対応関係にあるわけではない。ボリュームある本ですが、現在のところ、Webcatにみあたらない。以下、論文執筆者名と論文タイトル。ところどころ符号がとんでるのは当方のミスかブログの表記能力の限界。

(1) Éric Trombert et Étienne de La Vaissière
 Le prix des denrée sur le marché de Turfan en 743
(2) Danielle Eliasberg
  À propos d'images disparues
(3) Jean-Pierre Drège
  Notes sur les colophons des manuscrits de Dunhuang
(4) Francoise Wang-Toutain
  Le Sutra qui sauve des maladies:un aspect peu connu de Vajrapani,Protecteur de la Loi
(5) Anne-Lise Palidoni
  Les arbres sacrées représentés dans les peintures de Dunhuang : la shorée robuste sala
(6) Christine Mollier
  Les talismans du Budda et de Laozi pour <<accroitre le capital-vie>>
(7) Grégoire Espesset
 Le manuscrit Stein 4226 Taiping bu juan di er dans l'histoire du taoisme médiéval
(8) Cristina A.Scherrer-Schaub
 Revendications et recours hiérarchique:contribution à l'histoire de Sa cu sous administration tibétaine
(9) Georges -Jean Pinault
  Le tokharien pratiqué par les Ouigours à propos d'un fragment en tokharien A du Musée Guimet
(10) Zhang Huiming
 Les collections de Turfan conservées au musée de l'Ermitage :origine et conservation
(11) Zhang Huiming , M.L.Rudova et N.G.Pcelin
Inventaire des pièces de Turfan conservées au musée de l'Ermitage

以下、私的メモですので誤っている箇所もあるでしょう。

(1)は「743年、吐魯番の市場における商品の価格」と題する論文。いうまでもなく池田温先生の一連の仕事と関係があり、少々、羽田記念館の西域出土文献写真にもふれる。本草書を多用する。
(2)は銭財紙と喪葬に関する内容のようで民間信仰等と深い関わりがあるようである。
(3)は「敦煌写本の題記に関するノート」で先行研究をふまえながら英仏敦煌文献を中心に題記に関する考察がされている。
(4) は「救疾経」に関係する論文で、宗教と医学にわたる内容のようである。Vajarapaniは金剛手菩薩。
(5)は「敦煌絵画に描かれた聖なる樹」というタイトルで美術史的内容。
(6)は仏教と道教に関係する「益算神符」の類の研究。
(7)は道教史に英蔵敦煌文献 S.4226「太平部巻第二」の位置づけを探ったもの。
(8)はチベット征服下の沙州における階層構造に関する研究。占領地行政に関する内容か。
(9)はギメ博物館所蔵のトカラ語文書を用いた研究。
(10)はエルミタージュ美術館に所蔵される吐魯番出土関係文物の紹介。
(11)はエルミタージュ美術館に所蔵される吐魯番出土文献の目録。

(10)(11)は松井先生のAbitaQurに紹介されていたことに気づいた。
http://dmatsui.cocolog-nifty.com/abitaqur/2007/04/post_4abd.html

新収 敦煌碁経箋証2008/02/11 17:11

成恩元(著)『敦煌碁経箋証』、蜀蓉棋芸出版社、1990年4月。

ようやく実物を入手。S.5574『碁経』の訳注。正確に評価できない(囲碁、できませんから)が、なかなかの傑作だと思う。

拝受 西夏の二つの官僚集団 他2008/02/13 20:16

佐藤貴保・赤木崇敏・坂尻彰宏・呉正科、漢蔵合璧西夏「黒水橋碑」再考、『内陸アジア言語の研究』第22号、2007年。

佐藤貴保、西夏の二つの官僚集団、『東洋史研究』第66巻第3号、2007年。

佐藤さんからいただいた。ありがとうございました。それぞれ一度このブログで論文名を掲げている。

九州大学 舩田善之さんより2008/02/13 23:55

舩田先生からメールをいただいた。

-------------------------------------------
私事で恐縮ですが、来年(2008年)刊行予定の『史学雑誌』「回顧と展望」(2007年)の内陸アジア一(モンゴル帝国期まで)を担当させていただくこととなりました。資料収集を開始して大分経っておりますが、まだ十分な資料収集ができておりません。資料収集に際しては、『史学雑誌』の文献目録や『東洋史研究』の近刊叢欄に掲載されている論文題目以外に拠るべき情報を持ってないに等しい状況です。重要な論著でありながら、これらに漏れてしまっているものもきっとあることと思われます。また、九州では入手できない文献も予想以上にたくさんあります。
--------------------------------------------

この文章の続きと宛先などは下の舩田さんのブログQuiet Nahooをごらんください。敦煌吐魯番研究もこの範疇に入ります。
http://qnahoo.blog103.fc2.com/

『史学雑誌』「回顧と展望」といえば、前島佳孝さんが書いた文章の翻訳が中国の雑誌に何度か載っていた。注目度が高い。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2008/02/07/2608827

この原稿を書く人は短期間で要領よくそういう仕事をこなすわけだから、いつも感心してしまうが、誰であっても材料がなければ書きようはない。とりわけ、昨年のものは情報すらないこともあるだろうし、若い(とはいっても舩田さんはその分野ではよく知られた人だが)研究者ほど抜き刷りをもらう機会は少ないし。是非、ご協力を。

新収 仏教芸術2008/02/14 17:09

仏教芸術学会、『仏教芸術』、毎日新聞社。

 133号、1980年9月。
 137号、1981年7月。
 218号、1995年1月。
 222号、1995年9月。
以上、公費購入。
 101号、1975年4月。
 271号、2003年11月。
 285号、2006年3月。
以上、私費購入。

本ブログで関心を持って書き留めている分野に関係する論文が載っている。内容は後回しにして、とりあえずメモ。271号は特集「敦煌学の百年」。