新収 海域アジア史研究入門2008/04/02 19:55

桃木至郎(編)『海域アジア史研究入門』、岩波書店、2008年3月。

 海上交通の重要性が高まった9世紀以降の内容を扱う。執筆者32名。名古屋大学出版会の『中国歴史研究入門』に似た雰囲気。
この分野のバイブルになっていくものと思われる。
 ただ、その中国歴史研究入門はとくにそうだが、なぜ書名や史料から引ける索引がないのか、不思議に思う。

桂堂徒然様がこのブログを引用して、索引にまつわる事情を書かれている(4月7日追記。以下一部引用)。

 間接的言及の形ではあるが、本書に索引がないことについて触れられている。勝手にお答えすると、出版社での企画承認段階でだいたいのページ数(300頁だったかな)と価格が決まったのですが、
(以下はトラックバックをご覧ください)

拝受 内藤湖南と戊戌変法2008/04/02 20:06

柴田幹夫、内藤湖南と戊戌変法、『研究論集』(河合文化教育研究所)、2008年2月。

柴田先生からいただいた。ありがとうございました。

「湖南の戊戌変法観およびその主唱者であった康有為、梁啓超たちを如何に評価していたかについて考えてみようとするもの」(本文より)

さて、年度末になると、とくに私の勤務先はすごい数の出版物が登場する。研究活動が活発なのはすばらしいことだが、ブログに書くのは大変だ。ということで、しばらくゆっくりと紹介していくことにする。

拝受 平安越後古図集成2008/04/02 20:36

堀健彦(編)『平安越後古図集成』(新潟大学大域プロジェクト研究資料叢刊XII)、新潟大学「大域的文化システムの再構築に関する資料学的研究」、2008年3月。

康平3年(1060)、寛治3年(1089)の年紀を持つ越後の図を集成したもの。総カラー75ページ。康平系統が9点、寛治系統が37点掲載され、解題が付されている。
 堀先生ありがとうございました。

拝受 孟少保神道碑の成立をめぐって2008/04/03 23:45

榎並岳史、孟少保神道碑の成立をめぐって、『東洋学報』第89巻第4号、2008年3月。

榎並さんからいただいた。ありがとうございました。

「モンゴルの侵攻を防ぎ続けた名将の死は、本拠地であった湖北に止まらず」、「朝廷は彼の死後すぐに少師を追贈し、その功績を顕彰している。」
「なぜか神道碑だけは学士院が「久しく」その文章を作らず」、「孟珙の事蹟を記すことは、高度に政治的問題をはらむものだったと予測できる」(本文より)

なぜ、孟珙の神道碑執筆が遅延したのか、その背景にある南宋の当時の政治状況、国際環境を追求している。

関係論文
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/04/10/1387688

新収 東アジア -歴史と文化-2008/04/07 22:26

『東アジア -歴史と文化-』、第17号、新潟大学東アジア学会、2008年3月。
『グローバリゼーション下における諸地域の経済と社会に関する研究』、新潟大学・同プロジェクト、2008年3月。

前者、会員なので会費と引き替えにいただく。近現代の論文2点(應隽、名古屋貢)、中国史の書評2部(西洋平、植松知博)、会員便りに2記事(柴田幹夫、小森暁生)。なお、かっこ内は執筆者。

後者。たぶん教員全員に配布されたのであろう。グローバリゼーションにからむ諸論文が掲載される。金融、雇用と賃金、地域経済など。なかにはポーランド、中国蘇州、江陰市、新潟港などを主題とした論文もある。

はっきりいってここのところ、読書の間がない。毎日、ファイアウォールだとか、Active Directoryとか、何とかポリシーたちと格闘する日々である。ポリシーの優先順位がどうのと考えているうちに頭が痛くなる。

 まだまだ山積みになったままの雑誌や本がある。敦煌研究とかも到着している。私がその紙の山に埋もれるのが先か、それとも次々に目を通してブログの記事をかくのか、見通しが立たなくなってきた。

拝受 19世紀学研究 他2008/04/08 20:32

19世紀学学会・19世紀学研究所、『19世紀学研究』第1号、2008年3月。
新潟大学大学院比較宗教思想研究プロジェクト、『比較宗教思想研究』第8輯、2008年3月。

これも学内の教員に配布されたものであろう。傾向としては主に西洋史・哲学・思想・美術史系の論文が掲載されている。

まず前者。遅塚忠躬、村上陽一郎というビックネームによる19世紀論を巻頭に、Otto Langer、香田芳樹、Elmar Holenstein、臼井隆一郎、Tanihisa Otabeと国際色豊かな執筆者による特集記事がならぶ。つづいて、池田嘉郎、森田直子、曽田長人と19世紀学研究を考えさせる論文が配置されている。

後者。石見衣久子、藤島理恵(ドイツ語)、細田あや子、石田純子、横坂康彦(英語)、田巻敦子と論文が並ぶ。石見論文は神話、細田論文はキリスト教図像学の内容で、前号の論文と関連があるのであろう。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/04/10/1387635

拝受 環日本海研究年報2008/04/09 17:51

『環日本海研究年報』第15号、2008年2月。

 本誌は新潟大学では息の長い学術雑誌の部類にはいる。掲載されるものは近現代史の論文が多いが、東アジア古代史、中国文学に関係する論文も載る。
 本号の執筆者は以下の通り。

真水康樹、梅田純子、麓慎一、荻美津夫、石井周、劉家鑫・楊鳳蓮、盧守助、広川佐保、井村哲郎。

荻論文の題名は「北魏時代の音楽資料-北魏墓陶俑、雲崗石窟を中心に」となっている。
 他にはたとえば、梅田「中国人「花嫁」斡旋業者の問題について」は現代の問題をあつかう。この二点だけでみても本誌の内容が多岐にわたることが理解できるであろう。

 ところで、新潟大学の場合、Nuarという名前のリポジトリをつくり、既刊の論文をオンラインで見ることができるようになっている。
 http://repository.lib.niigata-u.ac.jp/
 このサイトでこれまで紹介した「環日本海研究年報」とか「比較宗教思想研究」とか「資料学研究」などの雑誌名、論文名で検索すれば、現段階でも一昨年度の前号の論文くらいは、多くがそのまま読める。

 このように「リポジトリ」をつくって大学の紀要類を公開するという流れは全国的なものとなりつつある。

http://www.nii.ac.jp/irp/list/
(学術機関リポジトリ一覧)

関連する記事としてARGのブログに次のような紹介がある。

 国立大学協会、機関リポジトリを利用した研究論文集を公開(2008-03-19)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080409/1207667498

 ちなみにこのARG(Academic Resource Guide)というサイトは研究者や図書館、出版関係の人は注目である(というか、そんなこと釈迦に説法かもしれない)。ネットに関わる様々な学術情報をブログやメルマガで紹介している老舗の情報源のひとつ。

拝受 中世考古学のための日本中世・近世初期の文献研究2008/04/09 20:18

矢田俊文(代表)『中世考古学のための日本中世・近世初期の文献研究』(平成19年度科研費 研究成果報告書)、新潟大学人文学部、2008年3月。

矢田先生からいただいた。ありがとうございました。
科研費による調査、報告、成果の記録と『中世考古学文献研究会会報』1~9号の合冊となっている。会報の執筆者多数。全341ページ。

関連Webページ
http://www.human.niigata-u.ac.jp/~abc/

本ブログで『中世考古学文献研究会会報』について紹介した記事
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/12/28/2534156
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/12/19/2520157

拝受 敦煌の古墓群と出土鎮墓文 ほか2008/04/16 19:10

關尾史郎、敦煌の古墓群と出土鎮墓文(下)、『資料学研究』第5号、2008年3月。
關尾史郎・清水はるか(編)、『國家圖書館藏敦煌遺書』所収写経題記一覧( I )、『資料学研究』第5号、2008年3月。

関尾先生からいただいた。ありがとうございました。

まずは前者。昨年度刊行の4号に(上)が掲載されている。

http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/03/28/1350541

また、2005年3月刊行の關尾史郎(編)『中国西北地域出土鎭墓文集成(稿)』、新潟大学「大域的文化システムの再構成に関する資料学的研究」プロジェクト、で整理されたデータを元に論が展開されている。『吐魯番出土文物研究会会報』以来の積年の成果で、今後、当該資料の研究において、まず参照すべき存在として、ひとまず完結を見た。この分野の発展を考えると、専門書に結実することを期待しているのは私だけではないだろう。

後者は、現在刊行中の『國家圖書館藏敦煌遺書』の漢文題記を収録したもの。

新収 日本人のアジア認識2008/04/16 19:34

並木頼寿、『日本人のアジア認識』、山川出版社、2008年3月。

我々は世界史的にみて新しい局面にいるのだなと実感させられる。