新収 書物の中世史他2008/08/19 17:19

五味文彦(著)『書物の中世史』みすず書房、2003年12月。

梅木幸吉(著)『佐伯文庫の蔵書目』、私家版、1989年。

伊藤正敏(著)『寺社勢力の中世』筑摩書房(ちくま新書)、2008年8月。

新収 敦煌画の研究 ほか2008/08/19 17:24

松本栄一(著)『敦煌画の研究』(2冊)、同朋舎出版、1985年(再版)。
羅二虎(著)、渡部武(訳)『中国漢代の画像と画像墓』、慶友社、2002年10月。

 壁画や壁画墓研究を歴史学的にすすめようとする際、画像からの印象だけで解釈を加えると手痛い目に遭うだろう。画像はわかりやすいと同時に、研究者の先入観や主観が入りやすい資料だからである。
 またそれをさけようとサラッと書くと、単なる図解的報告になりやすく、結果として人文研究がもつ「読みのおもしろさ」は失われる。

 西洋のイコノロジーの手法をみると、この類の研究は宗教文献や宗教的世界観に関する知識が不可欠な分野となっている。これはたぶん中世以前の東洋でも同じであって、大抵の壁画、壁画墓研究は基本的に民間宗教研究的意味を帯びているように思われる。 
 もちろんそこから派生するさまざまな分野はあるにせよ、そもそもそれらの画像は死者がいる場所に書かれていたのである。この点がきわめて重要なのだろうと思う。(以上、まだ目次しか見てない段階で)

新収 訳注 質問本草2008/08/19 18:20

原田禹雄(訳注)高津孝(解説)『訳注・質問本草』榕樹書林、2002年。

薩摩藩の本草書の訳注。
 前々から見よう見ようと思っていたが、多分所蔵している母校の図書館まで行く機会はそうそうない。で、いく機会を得ても、その時々に優先してみなくてはならないものがあり、時間も限られている。結局この本に目を通すのは先送りになっていた。

 話はそれるが、(以下、本の内容に関係ないので削除)

 ちなみにこの本については、ありがたいことに若干の資金をいただけたので、購入することができた。ただ、たてつづけに大きな本を買ったので、置くところが無い。

新収 幕末維新と佐賀藩 ほか2008/08/19 18:26

毛利敏彦(著)『幕末維新と佐賀藩』中央公論新社(中公新書)、2008年7月。
日蘭学会(編)『洋学史事典』雄勝堂出版、1984年。

読了 雲奔る2008/08/19 23:47

藤沢周平『雲奔る-小説・雲井龍雄』、文春文庫、1982年(第1刷)。

入手したのは新品。2008年2月刊の第23刷。
 なかなか小説を読む暇はないのだが、盆や正月は時間的に距離のあるところをまわるので、立ち読み覚悟であれば、文庫本が数冊読めるいい機会である。
 うーん、話の流れ上、なんか暗い感じはぬぐえないが、この淡々とした書き方には慣れてきたかな。まあ小説は小説として勉強になるものだ。

藤沢周平『漆の実のみのる国』(上)(下)、文春文庫、2000年(第1刷)。

入手したのは新品。2008年3月(上)13刷、同年2月(下)刊の12刷。
 作者は予定どおりに書き上げる前に、短くきりあげて亡くなったので、最後がなんか尻切れトンボなのだが、構想はよく理解できる。

 拙稿「米沢藩『本草考彙』研究序説」は、純粋に史料と先行研究によって書いたもので、私はこの『漆の実のみのる国』のタイトルはきいたことがあったが、そもそも何が主題の小説かをよく知らなかった。読んでみて驚愕。拙稿の内容はちょうどこの続きに位置する。

 まあそれはまったくの偶然で、話がうまくつながるのは、藤沢周平がそれまでの研究書をよく見て小説を書いたということだろう。彼が『本草考彙』の存在まで知りえていれば、もう少し書き方が変わっただろうと思うとなかなかおもしろい。