拝受 西厳寺蔵橘資料・古写経断簡集成・小川貫弌先生著作集DVD2008/10/02 19:40

『西厳寺蔵橘資料・古写経断簡集成・小川貫弌先生著作集(DVD二枚組)』

発行者:小川貫弌先生蔵貴重書研究会(代表:小田義久)
編集者:猪飼祥夫・大木彰・橘堂晃一
著作権者:西厳寺・小川徳水
頒布元:西厳寺(岐阜県各務原市)

大変なものをいただいた。あふれんばかりの内容。ざっと整理すると以下のようになる。

■(1) 内容
このDVD2枚には以下の三種の写真・解説・論説が含まれる。

<DVD-1>
○西厳寺蔵橘資料
 大谷探検隊収集の未公開資料。橘瑞超から小川貫弌に贈られた文書(断片)類。ほとんどが五胡北朝期から唐末にかかる西域出土文献断片とみられる。
○古写経断簡集成
 小川貫弌先生収集の奈良平安を中心とした古写経断簡類。敦煌写経、宋元明版の印刷経断簡を含む。

<DVD-2>
○小川貫弌先生著作集
 ほぼ全集といえる内容とのこと。

■(2) これまでの資料の保管状況
「西厳寺蔵橘資料」および「古写経断簡集成」とはそれぞれ以下のような形で保管されていた資料である。

『劫餘帖』 『無題1』 『無題2』 『玉屑帖』 『微笑帖』 『古経羣玉』 『法舎利帖』 『願一切帖』 『群青帖』、このほか額装のもの。

■(3) 「西厳寺蔵橘資料」の性格
文書断片約180点余(「劫餘帖」「無題1」、小川先生所持の額縁に含まれる)。
大木彰・橘堂晃一・吉田豊「大谷探検隊収集「西厳寺蔵橘資料」について」(龍谷大学『東洋史苑』第七十・七十一合併号、二〇〇八年三月)に解題があり、それによると以下のような特徴を持つ。

・断片群は、最大でも20cmを超えるものは少なく、ほとんどが零細な断簡。
・胡漢両語文献(表裏異語文献)が数多く含まれ、イラン語資料が40点、ウイグル語資料が91点ある。
・漢文面はほとんどが写経であり、すでにほぼ同定されている。

以上は自分の関心に沿ってDVDの中の大量の資料から抽出・整理したものである。写真を一目見て、これは北朝初期の断片だとすぐにわかるものもある。新出の西域出土文献資料群である。それが日本にある。

編集にあたった猪飼先生からいただいた。猪飼先生、編集に関わったみなさま、どうもありがとうございました。

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