新収 華戎交匯-敦煌民族与中西交通2009/07/01 19:34

栄新江(著)『華戎交匯-敦煌民族与中西交通』(走近敦煌叢書)甘粛教育出版社、2008年9月。

全178ページ。一般向けの書物だとおもうが、フルカラーで文書の写真も多数。ソグド人関係にも言及がある。

中国書店が目次を抜き出しているのでリンク。
http://www.chugoku-shoten.com/mokuji/cmokuji/48977/48977.html

新収 中国宮廷医学2009/07/01 19:42

陳可冀・李春生(主編)『中国宮廷医学』、中国青年出版社、2009年。

 神農から清代までの医学史料集。正史や医学書、さまざまな文献から史料をあつめて、注釈をくわえている。
 研究書と言うには物足りないようにおもえるが、ぱらぱらとみていくとなにかにきづくかもしれない。そんな気がする本である。

新収 旅行者的史学-中国医学史的旅行2009/07/02 19:24

李建民(著)『旅行者的史学-中国医学史的旅行』、2009年3月。

 五部九章構成の中国医学史の論文集。扱われているのはおもに戦国秦漢期で、出土文物が頻用されている。タイトルの付け方や冒頭の文章からは一般向けに書かれているようにおもったが、・・・少しギャップにとまどった。

新収 従医療看中国史2009/07/02 19:40

李建民(主編)『従医療看中国史』、聯経出版、2008年10月。

戦国秦漢から近現代にわたる医学、医療からみた中国史の論文集。論文15本を収録。

李宗焜、花東卜辞的病与死
羅維前、論早期中国医学論述之性質与目的-張家山『引書』結構研究
李建民、先秦両漢病因観及其変遷 - 以新出土文物偽中心
張嘉鳳、変化的身体ー晋唐之間的小児変蒸理論
范家偉、禹錫与『伝信方』―以唐代南方形象、貶官和験方為中心的考
劉淑分、唐、宋時期増人、国家和医療的関係-従薬方洞到恵民局
韓高、北攻伐、南保養―明代医学的風土観察
邱仲麟、医生与病人―明代的医病関係与医療風習
梁其姿、従頼病史看中国史的特色
雷祥麟、常山-一個「新」抗瘧薬的誕生
陳元朋、中国食物療養伝統的形成與変遷
黄龍祥、史料的構成分析與整體研究
浦山菊花(浦山きか)、中国伝統医書中「禁忌」的変遷
劉士永、日治時期台湾医薬関係管窺
楊祥銀、近代香港医療服務網絡的形成与発展(1841-1941)

分厚い論文集なので、まだ少ししか眼を通していないが、これだけのことが史料にもとづいて分析可能だということはつたわってくる。 この分野の記念碑的論文集かもしれない。
 タイトルからは「中国医学史」としてではなく、医学や医療という視点から中国史をみようとする編者の考えが伝わってくる。

拝受 敦煌・吐魯番出土漢文文書の新研究2009/07/03 20:19

土肥義和(編)『敦煌・吐魯番出土漢文文書の新研究』、東洋文庫、2009年3月(非売品)。

 東洋文庫内陸アジア研究部門中央アジア研究班の土肥先生の編集による総489頁の大論文集。執筆・翻訳者、23名。

 石塚晴通・王素・伊藤敏雄・古瀬奈津子・岡野誠・丸山裕美子・池田温・石見清裕・關尾史郎・栄新江・町田隆吉・大津透・荒川正晴・氣賀澤保規・片山章雄・石田勇作・張娜麗・西本照真・伊藤美重子・妹尾達彦・土肥義和、鈴木桂、西村陽子。

目次はすでに本書を紹介されている関尾先生のブログを参照されたい。
http://sekio516.exblog.jp/10039799/

間違いなく記念碑的論文集である。

 東方書店のブログによると、販売用も作成された模様である。安い。
http://toho-blog.blogspot.com/2009/06/62012.html

新収 中朝歴代朝貢制度研究2009/07/10 19:32

付百臣(主編)『中朝歴代朝貢制度研究』、吉林人民出版社、2008年。

 編者以外に10名が執筆している。
 主に隋唐以降の中国と朝鮮半島およびその周辺地域の関係を「朝貢制度」に探ったもの。東南アジアや琉球といった清朝と交易関係にあった地域も含まれている。

新収 敦煌変文伝播研究2009/07/10 19:40

胡連利(著)『敦煌変文伝播研究』人民出版社、2008年12月。

敦煌文献では古くからたくさんの研究があり、比較的、画像資料などの解釈にも一役かいそうなジャンルの専著。ただ、あまり日本の研究が参照されていない気はする。

新収 史学雑誌 第118編第6号2009/07/14 17:30

『史学雑誌』第118編第6号、2009年6月。

中村威也、(書評)原宗子著『「農本」主義と「黄土」の発生-古代中国の開発と環境 2』

従来の黄土論やそれにもとづく「農本」主義的見解を批判し、オリジナリティに富む視点を提供した著書、という感じの評がなされている。

濱川氏の意見にしばしばふれられている。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/05/01/4280993

新収 東洋史研究 第68巻第1号2009/07/14 17:44

『東洋史研究』 第68巻第1号、2009年6月。

石見清裕、唐代内附民族対象規定の再検討-天聖令・開元二十五年令より-
高田時雄、(紹介)『新獲吐魯番出土文献』上下二冊

 前者は、主に天聖令をもちいて、唐代の非漢族統治を論じたもの。

 「このような統治方法の相違には、その国家の性格が色濃く反映される」(p.2 、はじめに)。

 また、人間が集団や地理をどのように意識し、どこまでを内、どこからを外と捉えてきたかは様々な歴史事象を理解するうえできわめて重要である。次の一文に集約された解釈は今後、大きな論点のひとつになるだろう。

 「実は「唐令には「夷狄」なる概念は存在しなかった」(p.22)

 唐代史はもちろん日本史への波及は必至であろう。また現代中国を見るのにさえ影響があるかもしれない。なお、吐魯番文書(69TKM39:9/2(b),9/3(b))、敦煌文書(S.1344)も援用されている。

新収 敦煌仏教斎願文本研究2009/07/20 17:50

王三慶(著)『敦煌仏教斎願文本研究』新文豊出版公司、2009年2月。

第一章 導論
第二章 敦煌本『斎琬文』1巻研究
第三章 北京大学図書館蔵『諸文要集』一巻研究
第四章 『雑斎文』一本之系聯研究
第五章 『諸雑斎文』研究
第六章 光道大師撰《諸雑斎文》下巻研究
第七章 結論

敦煌文献のうち、仏教の斎会に際して作成された斎願文、斎文に関する専著。敦煌文献で同類の文書は少なくなく、敦煌文献全体を知る上でも重要な研究に思われる。