新収 辨偽与存真 ほか2010/07/08 18:33

栄新江(著)『辨偽与存真-敦煌学論集』上海古籍出版社、2010年3月。
王晶波(著)『敦煌写本相書研究』民族出版社、2010年1月。

 前者は中国を訪れた折にでもと思ったが、論文を書くのに必要になるような気がしたので購入。1999年に新文豊出版から公刊された『鳴沙集』の簡体字版をイメージして企画されたようだが、関連する写真が大幅増補されているだけでなく、何点かの論文も増補されている。李盛鐸旧蔵敦煌文献の研究には必須の論文集である。
 後者は2004年に刊行された『敦煌写本相書校録研究』の著者による博士論文集。敦煌の相書(人相占い)の研究書は比較的少ないのでまず見るべきものということになる。
 中国では相書(人相占い)はともかく、風水書、占筮書をあつかう「歴史学的」研究がここ十数年でとみに増えた気がする。

新収 陰陽道の発見2010/07/08 19:04

山下克明(著)『陰陽道の発見』NHK出版、2010年6月。

 陰陽道研究の入門書。帯の「陰陽道は、夜を生きる平安貴族の行動原理」はいかがなものかとおもうが、本文には怪しげな雰囲気がなく、また文章の技巧や解釈の差違をふりまわさず、必要な史料を丁寧に紹介しつつ、わかりやすく読みやすい。きっと著者が史料を知悉しているからなのだろう。
 冒頭、敦煌文献にもふれている。