拝受 ユーラシアの交通・交易と唐帝国2010/12/20 01:45

荒川正晴(著)『ユーラシアの交通・交易と唐帝国』、名古屋大学出版会、2010年12月。

 荒川先生からいただいた。ありがとうございました。書影はあとで掲載予定。
 『古代天山の歴史地理学的研究 』『西突厥史の研究』に連なる待望の一冊。
 日本の研究者は敦煌吐魯番関係で数多くの論文を発表している。ただそのわりには研究書にまでなったものは少ない気がする。(敦煌吐魯番文献を利用した均田制関係の研究書はすでにたくさんある)。
 しかし、「歴史を叙述」しなくてはならない立場にある者としては、研究者が史料とどのようにむきあい、個々の史料分析をどのような構想の中に組み込んでいくのかこそ知りたいし、そこに研究のオリジナル性がある。新書やブックレットではそういった構造物にまでは至り得ない。おもしろい「建物」をみることは大変刺激になる。
 ざっとみているだけでもいろんな仕掛けがあるようで、読み進めていくのが楽しみです。
 
序言 本書の視角と課題

第I部 トルコ系遊牧国家とオアシス国家
 第1章 トルコ系遊牧国家の成立と交通システム
 第2章 オアシス国家・遊牧国家とソグド人
 第3章 オアシス国家の接待事業と財政基盤

第II部 唐帝国とユーラシア東部の交通体制
 第4章 唐代公用交通システムの構造
 第5章 唐代河西以西の交通制度(1)
 第6章 唐代河西以西の交通制度(2)

第III部 唐帝国と胡漢商人の移動・交易
 第7章 唐帝国と胡漢の商人
 第8章 唐の通過公証制度と公・私用交通
 第9章 唐の河西以西への軍物輸送と商人
 第10章 唐の支配と交易・経済環境の変動

小結
結語

以下のサイトにさらに細かな目次がある。
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0651-4.html

本文は横書き、頁毎に脚注、漢文は原文と現代訳を提示する形になっている。