拝受 唐代初期の「士族」研究-李浩著『唐代文学<士族>の研究』の刊行に寄せて2011/09/16 19:50

川合安、唐代初期の「士族」研究-李浩著『唐代文学<士族>の研究』の刊行に寄せて、『集刊東洋学』第105号、2011年6月。

川合先生からいただいた。ありがとうございました。
 李浩著『唐代文学<士族>の研究』(中華書局、2008年)の邦訳『唐代文学<士族>の研究-関中・山東・江南の三地域に即して』(松原朗・山田智・石村貴博訳、研文出版、2009年)を内外の研究史の中に位置づけようとする内容。邦訳の解説において原著の「士族」が日本の中国史研究の「貴族」に相当するものと理解していることをふまえ、中国と日本における「貴族」「士族」研究史の性格を整理、また問題点などを論じる。

拝受 唐代前期宮廷政変をめぐる北衙の動向2011/09/16 20:03

林美希、唐代前期宮廷政変をめぐる北衙の動向、『史観』第164冊、2011年。

林さんからいただいた。ありがとうございました。
唐代前期政治史の展開そのものともいえる六度の宮廷クーデターに北衙とよばれる皇帝の親衛軍がつねに関わっていることに着目、個々の事変における兵力の展開などから、その政変成功の鍵となる「からくり」をうきぼりにしたもの。

拝受 歴史の争奪-中韓高句麗歴史論争を例に2011/09/16 20:13

古畑徹、歴史の争奪-中韓高句麗歴史論争を例に、『メトロポリタン史学』第6号、2010年12月。

古畑先生からいただいた。ありがとうございました。
 現在の国民国家をまたぐ形で存在していた過去の国家や種族を、現在の国民国家同士が「争奪」するという「歴史の争奪」現象をのりこえた歴史叙述の可能性を模索したもの。
 とくに「渤海帰属問題」などともに現代中国と韓国の研究者によって激しい論争が展開された高句麗歴史論争が本稿の中心題材。それぞれの国家プロジェクトと個々の歴史家がもつ歴史叙述への思惑と問題点が精緻に分析され、その解決の方向性がしめされる。

拝受 唐宋時期『帝王略論』的利用状況2011/09/16 20:48

会田大輔、唐宋時期『帝王略論』的利用状況、寧欣(主編)『新材料・新方法・新視野 古代国家和社会変遷』、北京師範大学出版社、2011年6月。

会田さんからいただいた。ありがとうございました。
 唐宋時期の『帝王略論』の利用状況を書誌学的な観点から整理したもの。一部に敦煌文献の『帝王略論』への言及もある。私自身も東洋文庫に属していた頃から注目していた史料のひとつで興味深く拝読した。

拝受 中国南北朝隋唐期をめぐる仏教社会史研究の地平2011/09/16 20:58

氣賀澤保規、中国南北朝隋唐期をめぐる仏教社会史研究の地平、『佛教史学研究』第53巻第1号、2010年11月。

氣賀澤先生からいただいた。ありがとうございました。
 学会の基調報告の講演録。中国南北朝隋唐期の仏教史のこれまでの動向と今後の研究への提言、期待などが述べられている。宗派仏教をこえた「時代の中で仏教を捉える」研究への展開の期待や、京大人文研が培ってきた共同研究の土台への羨望なども記されている。
 ただ最後の点は、関東圏では同じ機関が主導的に、かつ定期的に世代交代をしながら場を提供してきたのでなく、特定のある先生のもとに集まるという形が多いため、機関としては語りにくいわけだが、同様に開かれた共同研究や史料講読会はあったし、今もある(関西の他大にも同様に開かれた場がある)と思うのだが。