拝受 災害と資料 第4号2010/03/24 18:52

『災害と資料』第4号、新潟大学災害復興科学センターアーカイブズ分野、2010年。

矢田先生からいただいた。ありがとうございました。ISSNをもつ雑誌。
神戸、新潟の震災をはじめとした災害と博物館、文書館、郷土資料について様々な角度から論じた論考を収録。論文10本。執筆者18名。
奥村弘・松下正和・三井田忠明・田邊幹・前嶋敏・金垣孝二・山本幸俊・高橋由美子・矢田俊文(他5名)・古賀豊・卜部厚志・本井晴信

前号までの題目
http://ci.nii.ac.jp/search?count=20&sortorder=1&q=%E7%81%BD%E5%AE%B3%E3%81%A8%E8%B3%87%E6%96%99&range=0&start=1&lang=ja

新潟大学災害復興科学センター
http://www.nhdr.niigata-u.ac.jp/

肝心の新潟県立図書館には全冊そろっているが、Webcatやリポジトリを確認した限りでは冊子、論文のいずれもが全国的には入手しにくい感じなのは残念ではある。

記事紹介 「佐渡学」研究促進へ連携2010/03/18 19:47

「・・・民俗学や社会学などの教員や学生が島内で調査・研究を進めるほか、講演会などを通して地域住民に成果を還元する。・・・」(新潟日報2010年3月17日)
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/9828.html

ちなみにこのブログはあくまで個人的関心で書いているので宣伝をするつもりではないが、今後、出版物を目にする機会が増えると思うので、紹介させていただく。

現時点において、この「佐渡学」という言葉をググると次のような記事が上位に出てくる。さて数年後にはどうかわるだろうか。

「佐渡学」より先に考えるべきこと
http://bottega-sado.jugem.jp/?eid=148

佐渡学=地域・地元学?
http://taiyoudesu333.blog95.fc2.com/blog-entry-353.html

新収 日本文庫史研究2010/03/04 19:34

小野則秋(著)『日本文庫史研究』上・下、臨川書店、1988年(改訂版三刷)

 日本の蔵書史研究の名著。戦前に出された一冊本もあって、内容には若干、異同がある。
 驚いたことに勤務先の図書館には上巻しかなくて、しばしば上京した際に某大図書館で下巻をみていたが、半年ほど前にたえきれずに購入。藩校の筆頭は米沢藩。
 この他に藩校毎の思想的総合的な研究をなした笠井助治の大著三点もあるが、実は文部省が明治初期に各県に出させた膨大な資料からなる『日本教育史資料』を批判的に読んでいくと、これら近世部分は結構書ける気もする。もちろん「批判的に」「肉付け」が、大変な作業な訳だが、その枠組みを大きく越えていないようにおもわれる。最近の県史や市史の記述もここにネタがあることがある。
 では実際にそれら文庫のどのような典籍が残っているのかが専門の研究者によって調べられたのはおおかたは戦後の話である。米沢の場合は少し古くて(經籍訪古志までいれると「かなり」か)、昭和四年に小川琢治、昭和十八年に武内義雄と中国学の研究者が続々と調査にはいったのが目立つ(川瀬のような文献学者も調査している)。それが昭和三十三年の内田智雄(編)『米沢善本の研究と解題』につながったわけである。
 ではそこ(個々の典籍)から、これまでの枠組みを検証しなおすと中国学でも書誌学でもない知識と社会の新たな関係がみえてくるのではないか。そうおもって自分はどのような典籍が「あったのか」「どう変遷したのか」を調べたわけである。
 実は敦煌文献というのも大半は典籍であって、その典籍が典籍としての意味をもっていた空間へと遡る方法はかなり相似する(はず)である。

拝受 鎌倉時代の経供養行為について 他2009/10/15 00:09

竹田和夫、鎌倉時代の経供養行為について-十種供養を中心に、『鎌倉遺文研究』第23号、2009年4月。
竹田和夫、高校日本史と大学講義の接続実験①-文化財(世界遺産)を中心に)-、『歴史と地理(日本史の研究225)』625号、2009年6月。
竹田和夫、高校日本史と大学講義の接続実験②-文化財(文化的景観)を素材にー、『歴史と地理(日本史の研究226)』627号、2009年9月。

竹田先生からいただいた。精力的なお仕事ぶりに圧倒される思い。ありがとうございました。
「接続実験①」では石見銀山と佐渡金山が、「接続実験②」では棚田が主に扱われている。

拝受 米沢史学 第25号2009/09/29 20:38

米沢史学会『米沢史学』 第25号、山形県立米沢女子短期大学日本史学科

米沢史学会からいただいた。ありがとうございました。

布施賢治、育英事業と人材観-最上育英会と旧藩意識・士族意識・実業との関係から

 このほか、「講演・論文・研究ノート」に日本考古・古代2点(熊谷公男、高橋拓)、近世2点(薗部寿樹)、近代1点(布施賢治)が掲載されている。また書評2点(橋本素子、小林文雄)、史料紹介1点(吉田歓)が掲載されている。

 小林書評は矢田俊文(編)『直江兼続』をとりあげている。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/02/21/4134104

拝受 古代宮廷社会における楽制・楽人等の比較社会文化史的基盤研究2009/09/24 19:31

荻美津夫『古代宮廷社会における楽制・楽人等の比較社会文化史的基盤研究』(科研報告書)、2009年3月。

荻先生からいただいた。ありがとうございました。荻先生がこれまでに書かれた論文数点を収録。科研費で報告書作成の義務はなくなったが、その構想をひとつにまとめたものである。

第1章 嘉峪関・酒泉地域魏晋墓磚画、敦煌莫高窟壁画にみられる音楽資料について
第2章 北魏時代の音楽資料-北魏墓陶俑、雲崗石窟を中心に
第3章 北魏時代における楽器資料についてー龍門石窟、鞏県石窟を中心に
付章 魏晋南北朝時代におけるその他の図像音楽資料

 非常に多くの資料が整理されており、この分野を研究する人は一見する価値がある。
 ただ、序文で「これまで基本的図像資料の蒐集したもの」がほとんどないとしつつも、各章で「図像資料を用いた研究」があげられているのは少々説明が必要にもおもわれる。

新収 道教の美術 TAOISM ART2009/07/28 18:16

『道教の美術 TAOISM ART』(展示図録)、読売新聞大阪本社、大阪市立美術館、2009年。

 斉藤龍一(大阪市立美術館)編。現在、三井記念美術館で開催されている展覧会の図録。なお編集には日本の道教研究者が多数協力しているようである。

 おもに日本所蔵の道教関係の資料が掲載され、道教がいかに幅の広い分野に関係するか印象づけられる内容となっている。国宝、重文級のものや秘仏(らしきもの)が展示されており、迫力は十分である。

 坐像や鎮宅関係、文書、書籍関係にも興味深いものが少なくなかった。伝六朝とされている写本も目を引く。ちなみに『史記』は宋版の上杉本(歴民博本)が展示されていた。

 なお、図録には三井記念美術館の展示では見られなかった敦煌文書が何点か載っている。おおかたは書道博のものである。この後、大阪、長崎と展示が巡回するようだが、出品リストによると、国宝の古書籍(黄帝内経太素、黄帝内経明堂、医心方)や敦煌文書の類が大阪で展示されるらしい。

http://www.mitsui-museum.jp/exhibition_01.html

拝受 史料学の試み-「モノとしての史料」を問い直す ほか2009/06/16 19:56

杉本史子、史料学の試み-「モノとしての史料」を問い直す、『テクストと人文学』、人文書院、2009年。
杉本史子、シーボルトが収集した国絵図・出版図と和紙見本帳について、『東京大学史料編纂所研究紀要』第19号、2009年3月。
杉本史子、近世地図論序説ー身分秩序と主体・行為・モノー、『歴史学研究』No.841(特集 世界の中の近世絵図(Ⅰ))、2008年6月。
杉本史子、赤い色の調達ー近世の朱座 絵図の時代(8)、『東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター通信』第40号、2008年1月。
杉本史子、ふたつの緑色ー同時代人の眼 絵図の時代(6)、『東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター通信』第36号、2007年1月。
杉本史子、色をかたちづくるもの 絵図の時代(4)、『東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター通信』第34号、2006年7月。
杉本史子、絵師ー渡辺崋山「画工」と「武士」のあいだー、近世の身分的周縁2『芸能・文化の世界』、吉川弘文館、2000年。

杉本先生からいただいた。ありがとうございました。
そうか。「色」はモノであり、クスリでもあったのか。

新収 風水と家相の歴史 ほか2009/04/30 18:27

宮内貴久(著)『風水と家相の歴史』(歴史文化ライブラリー)吉川弘文館、2009年5月。
愛宕元・富谷至(編)『新版 中国の歴史・上・(古代中世)』昭和堂、2009年4月。

興味深い2冊。前者の扱う史料はおおかたは近世の出版物ではないかとおもったらそうではないようだ。フィールドワークによって史料収集がなされている様子がうかがえる。ついこの前まで土地に密着して生きていた(もしくはいまだに生きている)風水というわけだ。まだまだ日本列島には史料が眠っている。
 後者は概説書であるが、コラムで特に出土史料に配慮する構成がなされているようである。

新収 「能」と佐渡・越後2009/04/10 23:17

荻美津夫(著)『「能」と佐渡・越後』(ブックレット新潟大学)、新潟日報事業社、2002年3月。

 これも新入生配布物にふくまれていたものを某先生からお譲りいただいた。 ブックレット新潟大学では貴重であろう2刷。

能の歴史から佐渡・越後の各地域でおこなわれてきた能まで扱われている。新潟大学には、「能」研も存在していることをしらしめる一冊。