新収 世界史史料 ほか2011/06/08 19:48

歴史学研究会(編)『世界史史料4、東アジア・内陸アジア・東南アジアII 10-18世紀』、岩波書店、2010年11月。
V.Vバルトリド(著)小松久男(監訳)『トルキスタン文化史2』(東洋文庫806)、平凡社、2011年3月。

ともに以前購入したものの続編。購入してずいぶん時間が経った。まだまだ記録しておこうとおもう雑誌、図書が山積。
 今年はさらに内陸アジア・中央アジア関連の日本語図書が続々と刊行されているが、ある程度入手した順に記録しているので紹介するのはいつになることか。

拝受 隋唐~西夏時代の黒河流域-多言語資料による流域史の研究2011/05/11 18:03

佐藤貴保、隋唐~西夏時代の黒河流域-多言語資料による流域史の研究、中尾正義(編)『オアシス地域の歴史と環境-黒河が語るヒトと自然の2000年』、勉誠出版社、2011年3月。

佐藤先生からいただいた。ありがとうございました。
 隋唐~西夏時代の黒河流域について環境史的な資料と歴史史料をもちいて概説している。西夏の部分については佐藤さんならではの史料が使われている部分が少なくなく、ご自身の研究の鳥瞰図にもなっているようである。また他担当者との共同執筆になる「コラム3:黒河下流域の遺跡と文字資料の発見」が付されており、資料群に関するわかりやすい説明がなされている

私事:いろんな方からいただきながらも紹介していない御著書、抜き刷りがまだまだたくさんある。書いても書いても読んでも読んでも山が低くならない。購入図書や月刊、季刊の雑誌の紹介までできるかどうかという状態。送っていただいた先生方、ありがとうございました。勉強させていただきます。

新収 新史料・新観点・新視角 天聖令論集2011/02/28 18:25

台師大歴史系・中国法制史学会・唐律研読会(編)『新史料・新観点・新視角 天聖令論集』(上)(下)、元照出版社、2011年1月。

日本と中国の研究者が何度も研究会を開くことで得られた新見解を収録したものということのようである。

東方書店の紹介が詳しい。
http://www.toho-shoten.co.jp/toho-web/search/detail?id=341425&bookType=ch

丸山先生の論文は以前紹介した以下のものに基本的に同じ。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2010/09/16/5350464
『法制史研究』第十六期に掲載された天聖令関係の論文は他のものも収録されている。このほか、医疾令に関する論文に、陳登武「皇権・医療資源・医事法規」がある。

新収 中国五代国家論2011/02/28 18:03

山崎覚士(著)『中国五代国家論』思文閣出版、2010年11月。

分裂期と見られてきた「五代」の国家における「天下」とはなにかを論ずる。この時代を扱う専著はそれほど多くないので貴重な1冊。

http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215454

そういえば私事だが、某所で書評を書いた際、その著者の扱う敦煌文献が北宋代のものまで含んでいると前置きしながら、著者の専門について「北朝隋唐」という言葉を使ってしまったが、正確には「北朝隋唐五代」とすべきところであった。敦煌文献は時期としては晩唐~五代のものが多いのである。

新収 概説中国思想史2011/02/23 18:24

湯浅邦弘(著)『概説中国思想史』、ミネルヴァ書房、2010年10月

 これまでの「思想史」とは違う斬新な視角で組まれている。とくに第14章以降に文字学、新出土文献、目録学、史学思想、民間信仰、軍事思想、日本漢学などのジャンルがたてられているのがユニーク。歴史学研究者も一見の価値がある。また編者自身の研究蓄積がうまくいかされている。

目次はこちら
http://www.minervashobo.co.jp/book/b75808.html

 刊行されてすぐに購入したのだが、すでに4ヶ月がたってしまった。その間、やることがずいぶんあり、海外にも何度も出かけ、もう1年くらいすぎたような感覚がある。こまるのは1ヶ月ほど前から突如めまいがあることで、少し休む必要がありそうだ。禁酒・禁コーヒー中で能率が上がらないこと甚だしい。

拝受 唐代帖文的形態与運作 ほか2011/02/04 21:16

雷聞、唐代帖文的形態与運作、『中国史研究』2010年第3期、2010年。
朱溢、唐宋時期太廟数的変遷、『中華文史論叢』2010年第2期、2010年。

雷聞、朱溢さんからいただいた。ありがとうございました。いただいてから紹介が遅くなってしまった。

 前者は唐代の文書の様式のうち、下行文書である「帖」についてその機能と運用を論ずる。公文書研究である。中村裕一、荒川正晴、赤木崇敏氏らの論文が良く参照されている。下のリンクは以前いただいた論文。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/09/08/4568759
 後者は王粛、鄭玄の解釈が唐宋期の七廟制の変遷にどのように影響しているかを論ずる。

雑務(ただただ単純で面倒な作業が主)だけでなく、大事な作業(頭を使う)もいっぱいで時間がない。しかもどちらかといえば雑務でくたびれて頭がまわらないという現状。
 いろいろ送っていただいたのですが、すいません。

新収 大夏遺珍2011/01/13 21:16

山西博物館・寧夏博物館(編)『大夏遺珍-西夏文物精品展』、山西出版集団・山西人民出版社、2010年9月。

2010年秋頃に山西省博物館で開催されていたらしい展覧会の図録。
 表紙の写真をあげたがいただきものではない。
 表紙には微妙なグラデーションがかかっており「大夏遺珍」の横に(同様の意味と思われる)西夏文字が併記されるが、スキャナでうまくとれていない。それくらい実物は表紙も中身もきれいな図録。
 ロシア蔵の「敦煌文献」には実は西夏の文献が混在してしまっているということなので、西夏文書についても写真を見ておこうと購入。

簡単な西夏史や文物の概説のほか、文献類、工芸類、仏教美術類、建築類にわけて精細な写真が多数掲載される。

新収 2009中国重要考古発現2010/11/25 18:40

国家文物局(主編)『2009中国重要考古発現』文物出版社、2010年4月。

2009年度の重要発掘をカラー図版入りで解説したもの。
 曹操高陵(割かれているのは4ページ分だけ)についての記事もあるが、北朝隋唐墓や北朝石刻に関係する報告が少なくないため購入。

拝受 環境と歴史学2010/11/01 21:08

水島司(編)『環境と歴史学―歴史研究の新地平』、勉誠出版、2010年9月。

執筆者の一人の森田さんからいただいた。ありがとうございました。
歴史学研究において総合的で新らしいテーマである「環境」という切り口からの論考を集め、その展望をしめしたもの。

森田直子、ドイツの歴史学と「環境史」―ヨアヒム・ラートカウ『自然と権力―環境の世界史』を例に

全部の目次はこちら。
http://www.bensey.co.jp/book/2272.html

以下は眼を通したもの。とりあえずはアジア系に片寄る。

鶴間和幸、歴史学と自然科学ー始皇帝陵の自然環境の復元
卯田宗平、中国における環境史研究の可能性―生業技術からみるミクロな人間ー環境系
上田信、生態環境史の視点による地域史の再構築―生物多様性の歴史的変化研究のための史料について
クリスチャン・ダニエルズ、雲南地域住民の天然資源保護・管理―十八世紀後半~19世紀前半の元江流域・メコン河上流域を事例として
石川博樹、偽バナナは消えたのか―北部エチオピアの栽培植物をめぐる歴史学的考察
海老澤衷、棚田と水資源を活用した楠木正成
高橋 学、環境史からみた中世の開始と終焉
北條勝貴、神仏習合と自然環境―言説・心性・実体

それぞれの切り口がおもしろいのであとで精読することにしたい。

新収 古代中国与東南亜中医薬交流研究 ほか2010/10/27 17:22

楊金萍(著)『漢画像石与中医文化』人民衛生出版社、2010年7月。
馮立軍(著)『古代中国与東南亜中医薬交流研究』雲南出版集団・雲南美術出版社、2010年4月。

 前者は上下二編にわけ、前半は漢代の画像石のモチーフ、後半は画像石の中国医学的要素の分析を展開するが、おおかたは既知の成果のまとめであるか、画像石の分析から離れた内容に紙数をさきすぎているようにもみうけられる。ただ、各所にひとつひとつ画像も入っており、発想の端緒の宝庫のような気がしたので購入。
 後者は厦門大学の博士論文にもとづく出版で、前半は中国医学史概観であるが、後半は主に宋代以降の薬材流通に焦点をあてた医薬交流史となっており、ベトナム、タイ、インド、西アジア、マレー半島、フィリピンが章題にとりあげられている。
 二冊ともページ数は少なく、そのテーマの概観と若干の考証をしめしたものである。