新収 敦煌文書にみる学校教育2009/01/08 17:21

伊藤美重子(著)『敦煌文書にみる学校教育』汲古書院、2008年12月。

第一部 敦煌の学校と学生-「学郎題記」をめぐって
第二部 敦煌の規範教育ー童蒙教訓書の世界

第一部が三章だて、第二部が六章だてからなる。
 第一部は敦煌文献という史料の存在そのものに関わる分析といってよく、著者が専門とされる中国文学やタイトルの「教育史」的観点だけでなく、歴史学の研究から見てもきわめて重要な意義があると感じた。第一部が文献各論的な第二部の存在をインパクトあるものにしている。やはり専著にまとめられた研究は存在感が大きい。
 このお仕事に関係する私の今年度の課題(一つめ)はすでに手元を離れてしまったので、成果を反映させることはかなわなかったが、今後時間を見て本書を精読して勉強したいと考えている。

 もう来年冬まで執筆、発表予定でいっぱいとなった。おおかた一昨年秋あたりには予期できていた状況である。実現にいたらないかもしれないので公言はしないが、ほとんどは自分で構想を練ってきたものであり、健康なうちに(私は至って健康だが・・)実現を目指したい。
 今年度は三件ほど依頼を断らざるを得なかった。そんなご身分ではないのだがこの状況でまともなものができたとは思えない。おゆるしねがいたい。