新収 法国敦煌学精粋 ほか2012/09/11 13:36

内容紹介はともかくとして最近購入したものを記録。

 この3月から9月までにいただいたものや購入した書籍の整理はこれから。この間、二度、中国を訪れていることもあって、いただきものがとても多い。書くべき原稿や雑用は昨年度までと比較できないほど多いので、記録の遅延は確実。順を追って記録していくことにしたい。ただ、そういっているうちにどんどん時間が過ぎてしまうので、とりあえず新しく購入したばかりの書籍を記録した。抜き刷り、著書をいただいた先生方、すいません。

【敦煌学】
郝春文主編『2011敦煌学国際聯絡委員会通迅』、上海古籍出版社、2011年8月。
鄭炳林主編、耿昇訳『法国敦煌学精粋』1~3、甘粛人民出版社、2011年4月。

【東西交渉史】
張緒山著『中国与占庭帝国関係研究』、中華書局、2012年4月。
王媛媛著『従波斯到中国:摩尼教在中亜和中国的伝播』、中華書局、2012年5月。
毛陽光・石濤・李婉婷著『唐宋時期黄河流域的外来文明』、科学出版社、2010年3月。
上海博物館編『絲綢之路古国銭幣曁絲綢文化国際学術研討会論文集』、上海書画出版社、2011年12月。

【東アジア交流史】
梁明院校注『唐大和上東征伝校注』、広陵書社、2010年10月。

【医学史】
林富士著『中国中古時期的宗教与医療』、中華書局、2012年7月。

拝受 遣隋使がみた風景―東アジアからの新視点―2012/02/14 00:06

氣賀澤保規(編)『遣隋使がみた風景―東アジアからの新視点―』、八木書店 2012年2月)

氣賀澤先生よりいただいた。ありがとうございました。

八木書店の紹介ページ(目次あり)
http://www.books-yagi.co.jp/pub/cgi-bin/newbooks.cgi?cmd=d&kn=20&ks=978-4-8406-2035-2


執筆者:氣賀澤保規、金子修一、田中俊明、吉村武彦、川本芳昭、林部 均、河内春人、鐘江宏之、池田 温

2007年10月6日に明治大学にて開催された遣隋使1400周年記念学術シンポジウムをベースにその後に加えた論考などから構成される。

近日、明治大学で行われる「新発見百済人祢氏(でいし)墓誌」のイベント
http://www.toho-shoten.co.jp/toho/saiji12-011.html

近日中に関東圏でおこなわれる魏晋南北朝隋唐関連の公開イベント(掲載数比較)

○湖南出土魏晋簡牘をめぐる諸問題(5サイト、内1件は主催者による)
http://www.google.co.jp/search?sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=%E6%B9%96%E5%8D%97%E5%87%BA%E5%9C%9F%E9%AD%8F%E6%99%8B%E7%B0%A1%E7%89%98%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E8%AB%B8%E5%95%8F%E9%A1%8C

○出土資料からみた魏晋時代の河西(5サイト、内1件は主催者による)
http://www.google.co.jp/search?sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=%E6%B9%96%E5%8D%97%E5%87%BA%E5%9C%9F%E9%AD%8F%E6%99%8B%E7%B0%A1%E7%89%98%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8B%E8%AB%B8%E5%95%8F%E9%A1%8C#sclient=psy-ab&hl=ja&source=hp&q=%E5%87%BA%E5%9C%9F%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%BF%E3%81%9F%E9%AD%8F%E6%99%8B%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E6%B2%B3%E8%A5%BF&pbx=1&oq=%E5%87%BA%E5%9C%9F%E8%B3%87%E6%96%99%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%BF%E3%81%9F%E9%AD%8F%E6%99%8B%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E6%B2%B3%E8%A5%BF&aq=f&aqi=&aql=&gs_sm=12&gs_upl=46722l46722l0l47457l1l1l0l0l0l0l76l76l1l1l0&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.,cf.osb&fp=ceb8db6bef53df27&biw=1280&bih=919

○新発見百済人「祢氏(でいし)墓誌」と7世紀東アジアと「日本」 (3サイト、内2件が主催者所属機関による。)【情報掲載サイト、さらに少なくとも2サイト追加:2/22追加】
http://www.google.co.jp/search?sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=%E6%96%B0%E7%99%BA%E8%A6%8B%E7%99%BE%E6%B8%88%E4%BA%BA%E7%A5%A2%E6%B0%8F(%E3%81%A7%E3%81%84%E3%81%97)%E5%A2%93%E8%AA%8C#sclient=psy-ab&hl=ja&source=hp&q=%E6%96%B0%E7%99%BA%E8%A6%8B%E7%99%BE%E6%B8%88%E4%BA%BA%E7%A5%A2%E6%B0%8F%E5%A2%93%E8%AA%8C&pbx=1&oq=%E6%96%B0%E7%99%BA%E8%A6%8B%E7%99%BE%E6%B8%88%E4%BA%BA%E7%A5%A2%E6%B0%8F%E5%A2%93%E8%AA%8C&aq=f&aqi=&aql=&gs_sm=3&gs_upl=107001l107001l0l107181l1l1l0l0l0l0l74l74l1l1l0&bav=on.2,or.r_gc.r_pw.,cf.osb&fp=ceb8db6bef53df27&biw=1280&bih=919

新収 『図書』2012年2月号(百済人祢軍墓誌の「日本」 )2012/02/07 17:32

『図書』2012年2月号、岩波書店。

 東野治之、百済人祢軍墓誌の「日本」

唐の百済人将軍祢軍墓誌に「日本」の2文字があって、確認できる最古の「日本」国号ではないかと話題になっている。東野論文ではその文脈・対句表現等から「日本」は倭国をさすのではなく「日の本」を意味し、朝鮮半島諸国をさす可能性さえある表現で、むしろ当時「日本」国号が確立していない可能性があると示唆する。

昨日、これに関するイベントがあるというお知らせを某先生より頂戴した。積極的にイベント情報を流しているサイトがネット上にはいくらもあるから、この個人的読書記録で紹介するにはあたらないが、「百済人祢氏」とか「百済人祢軍」、または「禰軍墓誌」などのキーワードでググるとそのほか情報や推論がぞろぞろとでてくる。たしかに注目されている。

ネット上では、nagaichiさんという方が運営されている「枕流亭のブログ」で墓誌拓本写真がアップされているのを確認できる。
http://d.hatena.ne.jp/nagaichi/20120107/p1

唐代墓誌、「日本」、朝日新聞、シンポ。井真成墓誌の時に似た現象がおきているようにもみえる。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2011/10/25/

新収 律令制研究入門 他2012/02/06 20:06

大津透(編)『律令制研究入門』、名著刊行会、2011年12月。
黄正建(主編)『『天聖令』与唐宋制度研究』、中国社会科学出版社、2011年3月。

前者概要
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4839003696.html

後者概要
http://www.frelax.com/cgilocal/getitem.cgi?db=book&ty=id&id=TSLY398146

長大な研究史をベースにするも『天聖令』の公開によってあらたなスタートがきられたといえる東アジアの律令制研究に関する論文集。ともにかなりこなれたかたちで整理されておりこの5年ほどの研究史におけるメルクマールといってよい存在。今後、唐宋史、日本古代史を理解する上で避けて通れない業績である。

 ただ、この成果をみると、中国では唐宋史および法制史の研究者で研究が進められており、日本では日本古代史研究者の主導で精力的に研究がすすめられている様子がうかがえる。これから日本の東洋史研究者の積極的な反応も期待されるところである。

『新史料・新観点・新視角 天聖令論集』
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2011/02/28/5711670

http://iwamoto.asablo.jp/blog/2008/12/26/4028239
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2006/11/27/971254

新収 贈与の歴史学 ほか2012/01/23 19:11

桜井英治、『贈与の歴史学ー儀礼と経済のあいだ』(中公新書)、中央公論社、2011年11月。
小田部雄次、『華族-近代日本貴族の虚像と実像』(中公新書)、中央公論社、2006年3月。
中山茂、『天の科学史』(講談社学術文庫)、講談社、2011年10月。
森浩一、『古代史おさらい帖ー考古学・古代学課題ノート』、ちくま学芸文庫、2011年10月。

いろいろな分野の書籍を一緒にしてしまったが、とりあえず購入したものは入力整理しておこうと思っているので関心はあるが、自分が論文を書く領域ではないものをある程度一括した。自分の備忘用。『古代史おさらい帖』には中国文物関連の言及もある。

拝受 古代君主制の特質と東アジア2012/01/20 17:23

中林隆之「古代君主制の特質と東アジア」、『歴史科学』205号、2011年5月
中林隆之「東アジア<政治と宗教>世界の形成と日本古代国家」(2011年度歴史学研究会大会報告)、『歴史学研究』第885号(増刊号)、2011年10月
河上麻由子『古代アジア世界の対外交渉と仏教』、山川出版社、2011年10月
廣瀬憲雄『東アジア国際秩序と古代日本』、吉川弘文館、2011年11月
河添房江・皆川雅樹(編)『唐物と東アジア-舶載品をめぐる文化交流史』、勉誠出版、2011年11月。

 中林先生から御論文2点をいただいた。ありがとうございました。他3冊は購入。
 最近の日本古代史研究では「東アジア世界」もしくは東洋史で注目されている「東部ユーラシア」のなかで日本の位置づけを考えるという研究が潮流のひとつとなっている。当該時代を鳥瞰的にながめ、そこにある種の論理を見い出し、世界観またはシステムのようなものを導き出すというのは後世の歴史学者の特権でもあるわけだが、その有効性は視点のとりかた、にもよるだろうとは思う。中国史、中国仏教史関係の先行研究を選りすぐって批判したうえで論理が構築されているのだとは思うが、どうも関係論文が少なくみえる。その選択眼の意図をさぐって熟読したいとおもうのだが、その時間があるかどうか。
 以前からこうした研究手法をみて日本古代史の手法と東洋史とのあいだにボーダーはないと思っていた。逆に東洋史研究者が伝統の「東洋史のやり方」みたいなものにこだわれば、それだけ分野は縮小するわけである。新しい資料に注目するというより、既存の資料からも史料としての論理を新たに見出す能力が求められているという感じか。
 また世界観またはシステム論みたいなものに落とし込んでいく方法だけが歴史学でもないであろう。ともかくいずれも刺激的なお仕事である。

新収 第63回正倉院展(図録)2011/11/19 02:57

奈良国立博物館(編)『第63回「正倉院展」目録』、2011年10月。

 毎秋開催される正倉院展。毎年、展示物が異なるので、いついっても大体、初めて実見するということになる。近くに住んでいれば何度でも行きたいのだが、自分は今年で3回目。
 今年の目玉は蘭奢待(黄熟香)、金銀鈿装唐太刀あたりであろうか。酔胡王面もおもしろい。
 正倉院遺物はそのものだけでなく、かつて作成された目録や記録が残されていて、由来がよくわかる。また日本古代史だけでなく東洋史の視点から見ても興味深いものが多いことはこれまでの研究史にもあきらかである。いくつかの公文書にも興味深いものがあった。あまりに忙しかったので心に余裕がなかったのだが観覧を促してくださった先生にあらためて感謝。

「日本」国号に関する報道、記事2011/10/25 03:26

「日本」呼称、最古の例か 678年の墓誌?中国で発見(asahi.com)
気賀沢保規先生のコメントがついている。
http://www.asahi.com/culture/update/1022/TKY201110220586.html

以下のサイトのコメントが大変、参考になる。

天武天皇7年(678)には既に用いられていた「日本」国号: 王連龍「百済人《禰軍墓誌》考論」(石井公成先生の「聖徳太子研究の最前線」blog)
http://blog.goo.ne.jp/kosei-gooblog/e/83d4a0170e3ffd13634b4f6dcd46bd95

拝受 比較儀礼論 ほか2011/09/20 19:25

榎本淳一、比較儀礼論、石井正敏他(編)『日本の対外関係2 律令国家と東アジア』、吉川弘文館、2011年5月。
榎本淳一、藤原仲麻呂と女楽、武光誠(編)『古代国家と天皇』同成社、2010年11月。
榎本淳一、『隋書』倭国伝について、大山誠一(編)『日本書紀の謎と聖徳太子』平凡社、2011年6月。
ENOMOTO Jun'ichi,Japan's Ritsuryo System in the "East Asian World",ACTA ASIATICA 99,2010.

榎本先生からいただいた。ありがとうございました。
 「比較儀礼論」は推古朝の迎賓儀礼に当時の隋唐的要素より南朝的要素をみいだすことができることを論じる。「藤原仲麻呂と女楽」は日本古代において女楽の下賜(献上)が伎女の演舞を見ることであったのか、人そのものを下賜したのか、東アジアの状況を踏まえて、その解釈を問い直したもの。「『隋書』倭国伝について」は『隋書』倭国伝の史料的な性格を論じたもので、その記事内容の分析から、史料批判の際に留意すべきことを指摘する。Japan's Ritsuryo System・・は、日本における律令の受容、運用を当時の国際間において中心的な役割を担っていた中国を中心とした東アジアの事象と比較しながら、またその関係を論じたもの。
 いずれも東アジア諸国の制度、文化から古代日本のそれをみるという視点がつらぬかれている。

拝受 花に香りを-永遠の縁ー2011/09/15 19:53

虎尾俊哉先生を偲ぶ会(編)『花に香りを-永遠の縁ー』、2011年7月。

小口雅史先生からいただいた。ありがとうございました。
延喜式研究会などを創設され、弘前大学教授、国立歴史民俗博物館教授、神田外国語大学教授等を歴任された虎尾俊哉先生を偲ぶ会の文集。
目次は以下のとおり。「ザ 虎尾」はご遺族による虎尾家のルーツをさぐった記録で、別途、解説(菊池照夫)が付される。

はじめに-虎尾俊哉先生を偲んで- (平川南)
略年譜・著作目録
ザ 虎尾
虎尾俊哉先生の読書論
あとがき-虎尾俊哉先生の想い出-(小口雅史)