拝受 「イスラーム主義」「世俗主義」の枠組みを超えて2011/07/08 20:09

勝畑冬実、「イスラーム主義」「世俗主義」の枠組みを超えて--1980年代以降のハーリド・ムハンマド・ハーリドの思想的位置取りから、『イスラム世界』第75号、 2010年8月。

勝畑さんからいただいた。ありがとうございました。
 第3次中東戦争の敗北後にあたる1970年代以降、現代イスラーム思想を理解する有効な概念であり、対立的に扱われることの多い「イスラーム主義」と「世俗主義」について、20世紀の代表的な著述家ハーリド・ムハンマド・ハーリドをとりまく環境と思想を読み解くことで論じたもの。
 結論ではその希求するものに「イスラーム主義」とも「世俗主義」とも異なる「第三の道」があったことを示唆する。

もちろん「畿上塞囲」の勝畑さんである。

新収 概説中国思想史2011/02/23 18:24

湯浅邦弘(著)『概説中国思想史』、ミネルヴァ書房、2010年10月

 これまでの「思想史」とは違う斬新な視角で組まれている。とくに第14章以降に文字学、新出土文献、目録学、史学思想、民間信仰、軍事思想、日本漢学などのジャンルがたてられているのがユニーク。歴史学研究者も一見の価値がある。また編者自身の研究蓄積がうまくいかされている。

目次はこちら
http://www.minervashobo.co.jp/book/b75808.html

 刊行されてすぐに購入したのだが、すでに4ヶ月がたってしまった。その間、やることがずいぶんあり、海外にも何度も出かけ、もう1年くらいすぎたような感覚がある。こまるのは1ヶ月ほど前から突如めまいがあることで、少し休む必要がありそうだ。禁酒・禁コーヒー中で能率が上がらないこと甚だしい。

拝受 清国作法指南2010/09/27 18:15

W.G.ウォルシュ(著)田口一郎(訳)『清国作法指南』(平凡社・東洋文庫799、2010年9月)

田口先生からいただいた。ありがとうございました。
「イギリス人宣教師が記した清朝末の風俗習慣の記録。」
 原書名は、W.Gilbert Walshe,Ways that are Dark: Some Chapters on Chinese Etiquette and Social Procedure, London and Aylesbury: Kelly and Walsh, est.1907。

清末中国人との接し方、考え方を外国人の視線から知ることができる内容になっている。日常的振る舞いやその意味まで写真入りできわめて詳細に記されている。

拝受 中国古代貨幣経済史研究の諸潮流とその展開過程2010/07/03 16:51

柿沼陽平、中国古代貨幣経済史研究の諸潮流とその展開過程、『中国史学』第19巻、2009年12月。
柿沼陽平、戦国秦漢時代における塩鉄政策と国家的専制支配、『史学雑誌』第119編第1号、2010年1月。
柿沼陽平、後漢時代における貨幣経済の展開とその特質、『史滴』第31号、2009年12月。

現在、中国社会科学院で研究をすすめている柿沼さんからいただいた。ありがとうございました。

 最初の一点。これまでの中国古代貨幣経済史研究の視点、到達点を総括し、今後の研究における問題点とその展望を示す。
 他二点は以前紹介している。以上の3点は緊密な関係にあることが理解できる。

新収 唐五代畜牧経済研究 ほか2010/04/22 01:50

乜小紅(著)『唐五代畜牧経済研究』、中華書局、2006年3月。
劉国忠、黄振萍(主編)『中国思想史参考史料集』、清華大学出版社、2004年2月。
中国国家博物館(編)『文物隋唐史』、中華書局、2009年1月。

『唐五代畜牧経済研究』にはたしか、かなり厳しい書評があった。あとの二冊は中国の大学生向け教科書というところで、便利である。とくに『文物隋唐史』はわかりやすい構図の鮮明な写真が多く(文字資料除く)、授業でつかえる気もしている。

拝受 南宋の「帰正人」について 他2010/03/25 18:35

榎並岳史、南宋の「帰正人」について-その呼称と実態をめぐって、『環東アジアセンター年報』、第5号、2010年2月。

 榎並さんからいただいた。ありがとうございました。

新潟大学東アジア学会、『東アジア-歴史と文化』、第19号、2010年3月。
 修斌・陳琳琳、王国維と狩野直喜・内藤湖南
 西 洋平、荀子「性悪説」の再検討-「本始材朴」と「生之所以然者」をめぐって
 ほかに研究ノート1本、講演録1本、動向1本、会員だより2本などを収録する。

新収 菜根譚2010/03/04 18:14

湯浅邦弘(著)『菜根譚-中国の処世訓』(中公新書)、中央公論社、2010年2月。

 最初、タイトルをみたとき、これまでの著者のカバー範囲と異なる気がして、意外さを感じたが、実際、目を通してみると新しい切り口の菜根譚の解説書という感じで読みやすい。
 明代の書籍を解説するのに、一見関係がないようにおもえる楚簡・秦簡と近世大阪の懐徳堂の研究をまじえながら、隠し味に兵書という具合か。菜根の咀嚼力に驚嘆。

http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/04/21/4258131
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/11/18/2445236

拝受 秦漢思想研究文献目録2010/02/23 23:51

坂出祥伸(編)『秦漢思想研究文献目録』、関西大学出版部、1981年。

坂出先生からいただいた。たしかに少々内容は古いが、分類方法などには興味がもてる。ありがとうございました。

新収 読書雑誌 ほか2010/02/05 18:29

吉川忠夫(著)『読書雑誌―中国の史書と宗教をめぐる十二章』、岩波書店、2010年1月。
宇佐見文理(著)『歴代名画記―「気」の芸術論』、岩波書店、2010年1月。
李貞徳(著)大原良通(訳)『中国儒教社会に挑んだ女性たち』、大修館書店、2009年12月。
相田洋(著)『橋と異人―境界の中国中世史』、研文出版、2009年9月。

これから時間(不足気味)を見て読む(つもり)で積んである本のリスト。

拝受 唐宋時代における礼書の意義を論ずる 他2009/09/04 19:34

張文昌、唐徳宗重建礼制秩序与『大唐郊祀録』的編纂、『興大歴史学報』第19期、2007年11月。
張文昌、論唐宋礼典中的仏教与民俗因素及其影響、『唐史論叢』第10輯、2008年2月。
張文昌・遠藤隆俊、唐宋時代における礼書の意義を論ずる-中国における儀礼発展の視角から、『高知大学教育学部研究報告』第68号、2008年3月。
張文昌、中国礼典伝統形成与礼官職能演変之関係-以魏晋南北朝探索中心、『興大人文学報』第40期、2008年3月。
張文昌、論唐代後期之太常礼典、『文史』2008年第4輯、2008年11月。

張先生からいただいた。ありがとうございました。個人的には上から4番目の論文が気になっている。