拝受 唐代宗教文化与制度2007/11/15 18:29

高田時雄(編)『唐代宗教文化与制度』、京都大学人文科学研究所、2007年9月。

 陳懷宇、初唐時期佛教動植物分類―道宣『量処軽重儀』研究之三
 王 丁、柏林吐魯番特蔵中的一件出自交河的漢文摩尼教文書
 劉 屹、『太上妙法本相経』的品題和成書問題
 余 欣、中国古代占風術研究―以柏林蔵吐魯番文献Ch3316為中心
 史 睿、『顕慶礼』所見唐代礼典与法典的関係
 馮培紅、論唐五代藩鎮幕職的帯職現象―以検校、兼、試官為中心

 たぶん高田先生が送ってくださったのだと思う。ありがとうございました。
 京都大学21世紀COE「東アジア世界の人文情報学研究教育拠点」の成果の一部。中国の新進気鋭の研究成果を掲載する。先行研究を利用して、従来と角度の異なる視点がうまく発揮されている感じをうける。執筆者はおおむね私と同世代。

 ただ、その同世代の私はといえば、課題を内面とうまく結合する前に重いプレッシャーをかけすぎか、情報未消化のまま混沌に向かっている観が強い。まわりでなくまず自分をみることである。

新収 古代中国の文明観-儒家・墨家・道家の論争2007/11/15 19:20

浅野裕一(著)『古代中国の文明観-儒家・墨家・道家の論争』(岩波新書)岩波書店、2005年4月。

 以前、目にしたとき、帯に「古代中国にも環境問題があった」とあったので買わなかったのだと思うが、今度はその言葉が気になって購入。
 私は格別、環境問題に関心が強いわけではない。ただ、戦国秦漢思想史においてじゅうぶん著名な著者がオーソドキシーとはいえない、「環境問題」という今風のテーマでどのように書いたのかが気になったからである。

新収 唐代史研究 第10号2007/11/15 19:37

『唐代史研究』第10号、2007年8月、

石見清裕、唐代墓誌史料の概観―前半期の官撰墓誌・規格・行状との関係―
須江隆、宋代石刻の史料的特質と研究手法
黄正建 、天一閣蔵《天聖令》整理研究曁唐日令文比較断想

市来弘志、書評・新刊紹介 三崎良章著『五胡十六国の基礎的研究』
金子由紀、書評・新刊紹介 金子修一著『中国古代皇帝祭祀の研究』
荒見泰史、書評・新刊紹介 張娜麗著『西域出土文書の基礎的研究』

興味深い論文や書評が目白押し。
藤家先生の巻頭言にはつよく響くものがある。

新収 史学雑誌 第116編第10号2007/11/15 19:48

『史学雑誌』第116編第10号、2007年11月。

 渡辺美幸、琉球人か倭人か-16世紀末から17世紀初の中国東南沿海における琉球人像。

新収 文物 総第617期2007/11/15 19:52

文物編輯委員会『文物』、総第617期、2007年10月。
 新疆文物考古研究所、新疆羅布泊小河墓地2003年発掘簡報
 洛陽市第二文物工作隊、洛陽邙山陵墓群的文物普査

 前者はNHKの新シルクロードで取りあげられていたような記憶の小河墓地。なまなましいミイラの写真がカラーで掲載される。推定墓葬年代は紀元前1650年から1450年くらいというから3600年くらい前か。
 後者はGPSやGISといった新技術を用いて邙山陵墓群の考古学的調査をしているという内容だが、本誌でその成果が十分公開されているわけでないようである。

新収 中華医史雑誌 第37巻第4期2007/11/15 20:05

中華医史雑誌、第37巻 第4期、 2007年10月。

劉向明、古代脯肉与張家山漢簡『二年律令』有関毒脯肉的規定
紀征瀚、『宋以前医籍考』的編纂与伝承
梁永宣、日本出土刻有、西州続命湯、的木簡

最初の劉論文は食中毒に関する規定について。特に興味あるわけではないが目についた論文である。
二番目は岡西為人『宋以前医籍考』を非常に高く評価したもの。まともな評価である。もしかして再版されることもあるのかもしれない。最後の一点は2002年4月に奈良明日香で発見された史料の紹介。

拝受 大醫精誠-唐代國家、信仰與醫學2007/11/15 20:15

范家偉(著)『大医精誠-唐代国家、信仰与医学』東大図書公司、2007年11月。

范先生からいただいた。ありがとうございました。まさに私(の扱ってきた一つ)とほぼ同じ題材、史料を扱い、現段階では范先生のほうが幅広い。また社会史的手法を意識している。その意味で先覚者であり、その著書もまた萌芽にあふれている。なお、「大醫精誠」は孫思邈『千金要方』の言葉。

 私は研究テーマの設定や他人の研究手法を後追い(共有すること)することは、根本的な能力を欠いた史料遊びに思えて全然興味がないのだが、少なくともこのテーマについては後塵を拝することになったようである。

 なお、本書は李建民主編「養生方技叢書」の一冊であり、叢書中の本のいくつかは「医」の社会史を意識している。また范先生にはこれに先行する『六朝隋唐醫學之傳承與整合』もある。

※書名について本ブログではタイトルでは本字とし、記事では新字で表記させて頂いた。ネットでの検索対策である。