新収 文物 2008-92008/10/15 23:51

文物編輯委員会『文物』総第826期、2008年。

甘粛省文物考古研究所・高台県博物館、甘粛高台地埂(土+更)坡晋墓発掘簡報
高崇文、楚“鎮墓獣”為“祖重”解
宮徳傑・袁慶華、山東寿光龍興寺遺址出土北朝至隋仏教石造像

興味深いのは3点。一番上は、最近よく耳にする(?)高台県にある。2002年に盗掘墓を数件発見し、2007年に調査、整理をおこなったとのこと。盗掘は結構ひどいようである。そのため出土物は結構しぶい。遺体は2人分確認されており、棺の上に女媧の頭部の絵が一部が残っているとのことであるが写真は掲載されていない。注目されているのは四神図がみつかっていることで、朱雀、玄武はともかく、青龍にはひきがえるが、白虎には三足烏がともに描かれているということである(白虎の写真や図の掲載無し)。一般にひきがえるは月、三足烏は太陽の中に描かれる動物なので、それを形容しているのだろうか。
なお、墓室の構造から時代を推測したようである。
他2点はタイトルの通りである。
 
自分の関心で敢えて選べば上の通りだが、実はこの号でみるべきは下の一点のようである。

甘粛省文物考古研究所・張家川回族自治区博物館、甘粛張家川回族自治県馬家塬(土+原)戦国墓地発掘簡報

場所は天水のあたりのようである。戦国時代の戦車やそのほか豪華な副葬品が出土しており、北方民族系の意匠にみえるものも多数含まれている。また証拠不十分ではあるが中央アジア的な影響があるようにみえるものもある(報告書でも「西方文化」の影響が匂わされている)