拝受 杏雨書屋特別展示会図録 ― 2009/11/18 20:22

武田科学振興財団『第53回杏雨書屋特別展示会・和漢の本草書-中世以前の写本と刊本』、2009年。
新たに重要文化財に指定された日本写本『新修本草巻第十五』のほか、歴代本草書の各種写本、版本の書影をおさめる。フルカラー総83ページの豪華カタログで、懇切丁寧な解説がつく。展示会場と講演会場で無償配布された。
影印本でしかみれないような重文や自筆稿本がずらっとならぶ展示は圧巻だった。短期間ではあったが、敦煌秘笈本の展示には自説を添えさせていただく光栄を得た。
本図録が少々不思議なのは奥付がなく、パンフレット的扱いになっていることである。図書館で探すのは結構むずかしい。ちなみにwebcatによると明治大学だけが全バックナンバーを所蔵する。
この図録でとくに意義深いのは敦煌秘笈「新修本草序例」のカラー写真が収められていることである。写真は限定版の影片冊には載ったというものの広く写真がでまわったのはこれが最初である。
私は医薬史にだけ関心をもっていたわけではないが、所蔵者からみれば、まず、これこそが関心ある資料であり、それをどう評価できるかがコレクション全体の価値に直結すると考えてきた。それだけにこの図録には感動があった。ついに敦煌秘笈本が、本草分野でもっとも権威ある図書館の重要な一点と認知されたからである。
また、敦煌と『新修本草』について講演をさせていただく機会もえた。
それも学識ありそうな方からお褒めの言葉をいただけたのはうれしい。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/11/2-7c2b.html
ともかく東洋学全体に関わる(にちがいない)パンドラの箱はついに開いた。
新たに重要文化財に指定された日本写本『新修本草巻第十五』のほか、歴代本草書の各種写本、版本の書影をおさめる。フルカラー総83ページの豪華カタログで、懇切丁寧な解説がつく。展示会場と講演会場で無償配布された。
影印本でしかみれないような重文や自筆稿本がずらっとならぶ展示は圧巻だった。短期間ではあったが、敦煌秘笈本の展示には自説を添えさせていただく光栄を得た。
本図録が少々不思議なのは奥付がなく、パンフレット的扱いになっていることである。図書館で探すのは結構むずかしい。ちなみにwebcatによると明治大学だけが全バックナンバーを所蔵する。
この図録でとくに意義深いのは敦煌秘笈「新修本草序例」のカラー写真が収められていることである。写真は限定版の影片冊には載ったというものの広く写真がでまわったのはこれが最初である。
私は医薬史にだけ関心をもっていたわけではないが、所蔵者からみれば、まず、これこそが関心ある資料であり、それをどう評価できるかがコレクション全体の価値に直結すると考えてきた。それだけにこの図録には感動があった。ついに敦煌秘笈本が、本草分野でもっとも権威ある図書館の重要な一点と認知されたからである。
また、敦煌と『新修本草』について講演をさせていただく機会もえた。
それも学識ありそうな方からお褒めの言葉をいただけたのはうれしい。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/11/2-7c2b.html
ともかく東洋学全体に関わる(にちがいない)パンドラの箱はついに開いた。