新収 唐研究 第15巻 ほか2010/06/02 18:36

『唐研究』 第15巻・「長安学」研究専号、2009年。
 目次はこちら
http://www.zggds.pku.edu.cn/004/002/043.htm
 「新史学」的手法が多様になりつつある様子がわかるほか、史料論としておもしろいものもあって、どれも興味深いタイトル。

朱玉麒(主編)『西域文史』第3輯、2008年12月。
 孟憲実、羅新先生のほか、広中智之、吉田豊、森安孝夫三先生の題目にひきつけられる。
 目次はこちら。http://www.serindia.org.cn/post/7.html
 第4輯にはカシュガル出土の胡人像の研究があるようである。
http://www.serindia.org.cn/post/178.html

北京大学中国古代史研究中心 http://www.zggds.pku.edu.cn/bottom.htm
新疆師範大学西域研究中心 http://www.serindia.org.cn/
上の学術誌を刊行する両大学センターサイトともに豊富な学術情報を公開する。とくに北京大学ではかなりの論文がPDFで提供されており、有益。
 かつて中国史の研究情報は日本にいる方がかえって早く収集できるなどと言われていたが、そういう時代は終わった気がした。日本でここまで緻密に情報を集約したサイトをつくろうとすれば、短期間のうちでの博論執筆や言語習得を課せられた院生の貴重な労力を犠牲にするだろう。
 しかし、個人が個人の意志でネットに情報を発信していけば、その総量はこういう単体サイトをゆうに凌ぐ意義をもつような気もする。
 2サイトの充実ぶりをみて、日本で中国史を研究(教育)することの意義や情報発信していく意義について考えさせられた。

新収 突厥第二汗国漢文史料編年輯考2010/06/02 19:29

呉玉貴(著)『突厥第二汗国漢文史料編年輯考』(上・中・下)中華書局、2009年12月。

 日本でもシャバンヌ『西突厥史料』、岑仲勉『突厥集史』は突厥研究の基本的な工具書としてよく知られているが、著者の序文には、近年の墓誌をはじめとした出土資料の発見や、研究手法の深化、検索手法の多様化などによって、先行研究に加筆修正すべき点が多々生じてきており、新史料をあわせて整理、検討すべき時が来ている旨が記されている。
 唐代史においては基本工具書的存在といえる。
これ一点だけでもいろんな研究に発展できることを考えると私が購入したのは宝の持ち腐れにもおもえるが。

新収 唐宋時代刑罰制度の研究2010/06/02 19:42

辻正博(著)『唐宋時代刑罰制度の研究』(東洋史研究叢刊74)、京都大学学術出版会、2010年2月。

 中国法制史の専著。天聖令が多用されており、そうした方面からも勉強になる点が多い。
 すでに数多くのブログでとりあげられている。

目次はこちら。
http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?isbn=9784876985326

新収 中国本草要籍考2010/06/02 19:54

尚志鈞(著)尚元勝、尚元藕(整理)『中国本草要籍考』安徽科学技術出版社、2009年2月。

 著者が華夏出版社「本草名著集成」シリーズで執筆した各本草書の解題をもとに増補修正をくわえ、さらに「歴代本草人物名録」を付した本草文献研究の基本工具書。
 同種のものに、尚志鈞・林乾良・鄭金生(著)『歴代中薬文献精華』科学技術文献出版社、1989年があるが、その増補改訂版にもあたるようである。装丁の変化や内容の充実度は隔世の感がある。

新収 河北考古重要発現1949~2009 ほか2010/06/02 20:11

河北省文物研究所(編)『河北考古重要発現1949~2009』、科学出版社、2009年12月。
 図録多数、立派な装丁。一枚の写真で私には買う価値のあった本。

賈璽増(著)『中国服飾芸術史』天津美術出版社、2009年1月。
 202ページなので情報量はすくないが、これまでの服飾史の本と異なるのは、比較的細かな部位の図示説明があること。