新収 咸陽十六国墓2007/01/24 02:18

咸陽市文物考古研究所『咸陽十六国墓』文物出版社、2006年10月

咸陽市内またはその附近の4地区から発掘された五胡十六国時代の墓葬に関する報告。4地区とは咸陽師範学院、文林小区、中鉄七局、平陵。西晋、前趙、後趙、前秦期のものとみなされる二四座の墓葬が対象になっている。

本書には副葬品の俑の写真が多数掲載されている。人馬や生活用具をかたどった素朴なものがおおく、なかでも目を引くのは本書の表紙にもなっている鎧装した馬の俑である。
 胡人俑とされるものがあるが、すくなくとも写真を見ただけではどうしてこれを胡人俑と呼ぶのかはわからない。とんがり帽子をかぶっているようにみえるからだろうか。ただそれだけで、その判断はいかがなものか・・・。
 他に文字の刻まれた磚や漢字が刻まれた印章が数点あり、特に考証が付されている。なお「建元十四年」の紀年のある銘があり、それは西暦378年に比定されている。

 私的にはこの本の引用文献にすこし注目である。五胡十六国時代の出土資料に関する先行研究にどのようなものがあり、どのようにつかわれているかが(少なくとも中国のもの限っては)おおよそ把握できるからである。

関尾先生のブログのエントリ
http://sekio516.exblog.jp/4902043/

書店による紹介文
http://www.ato-shoten.co.jp/blog/2007/01/10189656.html
http://www.chugoku-shoten.com/mokuji/cmokuji/37406/37406.html

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