新収 大書源2007/06/09 16:26

大書源
二玄社編集部『大書源』、二玄社、2007年。

史上最多の字例を収録したという書体字典。
少々の余裕と興味があって公費で購入。
 常に篆刻、草書を書くような常用にはハンディサイズの簡略版のほうがむいているが、私の場合、敦煌文献や碑刻類の難字を読むのに参照するので、字例は多いほうがよい。敦煌文献に見られる書体や異体字は様々だが、北朝後期以降の碑刻類から文字を収録した字典であれば実際、かなり参考になる。たぶん碑刻類でも紙に書くのと同じになるような刻法が施されたからであろう。

http://www.nigensha.co.jp/shodo/bk_info.html?2016&INF=1951
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E6%9B%B8%E6%BA%90-%E5%85%A84%E5%86%8A/dp/4544120047

 伏見冲敬『書道大字典』(上下2冊)、角川書店、1974や『漢語大字典』、『北朝楷書字典』、『増訂碑別字字典』、『碑別字新編』、『広碑別字』(某氏のコピー)・・・をもっていたので、どうみても内容的にかぶるだろうと思い、購入を迷った。字例数は『大書源』が最多となったのではあろうが、いまだ『書道大字典』は十分匹敵するようにおもわれた。

 また『大書源』にはDVD版が付いているという情報は魅力的ではあった。しかし、それも『今昔文字鏡』もあるからなーと長いこと迷った。(これは少々ジャンル違いではある)

 実際、手にしてみてわかった良い点がある。
 『大書源』は全3巻で索引、書道史年表とDVDが別添であるが、『書道大字典』は上下2冊。この構成と紙質の差もあって、『大書源』は一冊一冊が驚くほど軽い。 『書道大字典』は重い(1冊2kg前後か)ため、脳より腕を鍛える可能性があるが、『大書源』はそういうことにはならない。扱いやすい。
 ただ運動不足の毎日に『書道大字典』はいい(笑)。これからも自宅で使い続けるつもりである。

 『大書源』の中身をまだ他書とよく見比べていないが、網羅的な書体字典というだけでなく、扱いやすさでも優れているようだ。