新刊 米沢藩興譲館書目集成 全4巻2009/09/03 04:21

朝倉治彦(監修) 岩本篤志(編集・解説) 青木昭博 (解説) 『米沢藩興譲館書目集成』 全4巻 、ゆまに書房、2009年8月。

直江兼続の蒐書にはじまるといわれる米沢藩ゆかりの蔵書目録を集成。その蔵書はいまなお、米沢の地に伝わり、中世の学問の息吹や上杉鷹山によって設立された興譲館や好生堂といった近世を代表する学問所の気風を伝えている。往時の蔵書の全貌とその変遷とに接近することを可能とした貴重な書目集。

●藩校興譲館や江戸藩邸など関係各所で作成された元禄期から昭和初期にいたる主要な書目を収録。書目には貸借記録や書籍に関する注記が付されていることもあり、書誌学的、史料的価値が高い。

●これまでほとんど研究に利用されてこなかった書目(四目録、林泉文庫寄贈書及書目)を収録しており、藩の蔵書管理や書籍の聚散過程があきらかになる。

●個々の書籍の来歴や蔵書群の形成を把握しやすくするため、主要書目を対象とした書名索引を付した。米沢藩旧蔵書の研究のほか、近世大名の蔵書や藩校研究等にも至便である。

http://www.yumani.co.jp/np/isbn/9784843332504

【訂正】 (今後も追加します)
・第3巻 索引 p.23 「つ」の見出しをいれる。
・第3巻 索引 「邸」のページ数が該当巻(第1巻)のノンブルと1頁ずつズレている。
・第3巻 索引 党陰比事→棠陰比事
・第4巻 p.562/12行目 (誤)「麻谷蔵書」→(正)「麻谷藏書」
・第4巻 p.564 (誤)東北諸藩における蒐集→(正)東北諸藩における蒐書

新収 新潟史学 第61号2009/09/03 17:48

新潟史学会、『新潟史学』 第61号、2009年8月。

特に関心のあるものだけを抜き出した。

浅倉有子、近世・近代における「上杉家文書」の整理・管理とその変容
田中洋史、(書評・新刊紹介)矢田俊文編『直江兼続』

浅倉論文の扱う内容は米沢藩の文書の資料学的研究において重要な画期をなすものとみうけられる。
 実は前掲の『米沢藩興譲館書目集成』の解説はこれまでの米沢藩の文書研究を横目に、同藩の書籍の研究が「歴史学的に」同水準か、それより一歩前に出るつもりで書いたのだが、浅倉論文によって拙論が補われる点が少なくない。ただかたや文書中心、かたや書籍中心なので相補う点もあるようには思う。不遜ながら。

 ともあれ、私にとっては「漢字文化圏」と日本の一地域の知識・生活の結びつきを考える機会になっただけでなく、近代以前に組織的に残された史資料の性格を理解する良い機会となった。

拝受 孫呉年号与符瑞問題2009/09/03 18:26

魏斌、孫呉年号与符瑞問題、『漢学研究』第27巻第1期(総号第56号)、2009年3月。

魏斌先生からいただいた。ありがとうございました。2007年の「中国中古史中日青年学者聯誼会」でのコメントへの謝辞が付されている。