新収 新潟史学 第61号2009/09/03 17:48

新潟史学会、『新潟史学』 第61号、2009年8月。

特に関心のあるものだけを抜き出した。

浅倉有子、近世・近代における「上杉家文書」の整理・管理とその変容
田中洋史、(書評・新刊紹介)矢田俊文編『直江兼続』

浅倉論文の扱う内容は米沢藩の文書の資料学的研究において重要な画期をなすものとみうけられる。
 実は前掲の『米沢藩興譲館書目集成』の解説はこれまでの米沢藩の文書研究を横目に、同藩の書籍の研究が「歴史学的に」同水準か、それより一歩前に出るつもりで書いたのだが、浅倉論文によって拙論が補われる点が少なくない。ただかたや文書中心、かたや書籍中心なので相補う点もあるようには思う。不遜ながら。

 ともあれ、私にとっては「漢字文化圏」と日本の一地域の知識・生活の結びつきを考える機会になっただけでなく、近代以前に組織的に残された史資料の性格を理解する良い機会となった。

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