新収 書誌学のすすめ2010/10/07 22:02

高橋智(著)『書誌学のすすめ―中国の愛書文化に学ぶ』、東方書店、2010年9月。

 中国書誌学の入門書。基本的なことがおさえてあって勉強になる。
これまで何本か論文を書いてきたが、書誌学用語を間違えていて、いろいろ・・・あった(他にも・・・・おもいださないことにする)。間違いを気にしすぎると論文が書けなくなる。
 例えばフランス語や英語の解説では、胡蝶装(Butterfly ~)に相当する語彙で解説されているのに、日本ではその装丁は粘葉装とよばないととか、けっこうややこしい(同義であるとする解説もありますけどね)。まあ、間違えると意味が通じなくなるのでまずいわけだが、専門用語は学習すればよい。
 「書誌学はけしてすすめられようなものではない」という抑えめな言葉がいい。
 実際、実物の本を見るのはものすごくおもしろいが、これにはまると歴史学はできなくなる。あなたが大図書館の専属でないなら、その分野はやめといたほうがいい、書誌学はエリート(研究者の中のエリートってことですな)だけがやるものだ、と学生時代いわれたことがある。
 学習するべきだが、研究分野にはしないほうがいいという意味だと理解している。

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