拝受 唐代の上墓儀礼 他2010/09/02 22:58

江川式部、唐代の上墓儀礼―墓祭習俗の礼典編入とその意義について、『東方学』第120輯、2010年。

江川さんからいただいた。ありがとうございました。以前、題名は紹介している。「上墓」は墓参りのことで、およその内容は副題に要約されている。墓誌や墓群、皇帝陵などの研究にも関係する内容。

松浦典弘、唐代河北地域の藩鎮と仏教―幽州(盧龍軍)節度使の事例から、『大手前大学論集』第10号、2010年3月。

松浦さんからいただいた。ありがとうございました。房山石経に関係する内容。藩鎮が地域社会の信仰にあたえた影響力を論じる。

拝受 An Analysis of the Term rkya in the Context of the Social System of the Old Tibetan Empire etc.2010/09/03 00:57

IWAO Kazushi,An Analysis of the Term rkya in the Context of the Social System of the Old Tibetan Empire,The Memoirs of the Toyo Bunko,67,2009

岩尾さんからいただいた。ありがとうございました。『東方学』第113号に掲載された「キャ制(rkya)の研究序説―古代チベット帝国の社会制度」の英語版にあたる。敦煌チベット語文献にみられる古代チベット語のrkyaについて、これまでの説を退け、税制における土地単位に関わる言葉であるとする。

福島恵、罽賓李氏一族攷-シルクロードのバクトリア商人、『史学雑誌』第119編第2号、2010年2月。

福島さんからいただいた。ありがとうございました。以前、掲載誌の紹介で言及している。ソグド人の東方進出にバクトリア人のはたした役割の重要性を説く。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2010/03/10/4936528

新収 唐代史研究 第13号2010/09/03 20:38

唐代史研究会(編)『唐代史研究』 第13号、2010年8月。

2009年度夏期シンポジウム特集

小尾孝夫、南朝宋斉時期の国軍体制と僑州南徐州
久保田和男、北宋慶暦時代と軍事問題―范仲淹の国防政策を中心として―
丸橋充拓、府兵制下の「軍事財政」
武井紀子、律令財政構造と軍事
高瀬奈津子、唐後半期の財庫についてー延資庫を中心に―

書評・新刊紹介

梶山智史、高橋継男(編)『中国石刻関係図書目録(1949-2007)』
松浦典弘、土肥義和(編)『敦煌・吐魯番出土漢文文書の新研究』

 このほか学会参加報告、日本唐代史関連研究成果目録。

 この分野では国際的に知られた雑誌と認識していたのだが、「唐代史研究」でググると、「信用に足るのかどうかわからない人の個人サイト」(ここ)にたどりつく・・・・・・。では私がこの読書記録を削除すればいいのかといえば、それはなんか違うだろう。

 巻末の日本唐代史関連研究成果目録はWebでも公開すべき性格のものにおもわれる。それは「唐代史研究会」の国際的評価につながるだろう。

 論文情報は刊行後半年もすればCiNiiや東洋学文献類目(オンライン版)で検索できるが、ともにデータベースとしてつくられており、個々のデータは検索エンジンにはひっかからない。
 http://ci.nii.ac.jp/
 http://ruimoku.zinbun.kyoto-u.ac.jp/ruimoku/
 それはそれでいいのだが、だから現状では、Webに論文目録を公開しておく意義はそれなりにある。ただアップするだけで、検索エンジンにタイトルがひっかかるだけで、研究活動には有用なことがある。海外サイトではエルゼビアにせよCNKIにせよ、論文自体が手に入る(私の所属機関では・・)わけだが、有料なのだし、日本の研究情報としてはタイトルがWebに流れているだけで価値がある。単に自分が入手した研究書を紹介しているだけのこのサイトを何度もごらんになっている人は同意してくれるであろう。

 また、作業への貢献は貢献者たちの栄誉に十分にフィードバックされるべきである。どういう価値があるのか、その意義はあきらかであるべきだろう。
 いまだに論文情報を紙媒体のみから得ている人がどのくらいいるのだろうか。また、海外からWeb経由で論文情報が大量に入ってくる時代にこの紙媒体の雑誌の論文目録が海外で重宝される、というのはどういうことなのだろうか。

新収 シルクロードの宗教2010/09/03 22:50

Richard C. Foltz(著)常塚聴(訳)『シルクロードの宗教 ― 古代から15世紀までの通商と文化交流』教文館、2003年11月。

 以前どこかで書名をみたかもしれないが、遅ればせながら、先日、はじめて手にとった。「内陸アジア古代中世宗教入門―欧米における研究を中心に―」と考えると、とてもわかりやすくて便利な本である。
 「帯」は内容の要約なのだろうが、具体性を欠きすぎ。これでは専門家も素人もなかなか手に取ろうとおもわないのではないかと思う。目次がWeb上に無いようなので入力。

第1章 シルクロードと旅人たち
第2章 古代ユーラシアにおける宗教と交易
第3章 仏教とシルクロード
第4章 異端者の隠れ家
第5章 シルクロードのイスラム化
第6章 キリスト教世界の誤算
第7章 もはや「るつぼ」ではない

ただこの目次は抽象的。しかし、キーワードをあげると、ソグド人、ゾロアスター教、ユダヤ教、パルティア、チベット、イラン、ネストリウス派、マニ教、イスラム、モンゴル人、という感じである。地理的にも時間的にも扱う範囲が広いので、細かいことが書かれているわけではないが、注と参考文献目録、索引をつかえば、奥へ奥へと入っていけそうなのが、この本の長所におもわれる。

拝受 現物調査に基づく西夏法令集『天盛禁令』条文の復元2010/09/04 00:01

佐藤貴保、現物調査に基づく西夏法令集『天盛禁令』条文の復元―巻9,第554-558条を例として―、『遼金西夏研究の現在(3)』、2010年6月。
佐藤貴保、(彙報)第46回野尻湖クリルタイ、『東洋学報』第91巻第3号、2009年12月。

佐藤先生からいただいた。ありがとうございました。
前者はロシアでの調査にもとづいて、これまでの研究の誤りや見落としを正すだけでなく、訳注、考察を加えている。

拝受 粛鎮華夷志2010/09/04 00:19

明・李應魁(撰)高啓安・邰惠莉(点校)『粛鎮華夷志校注』、甘粛人民出版社、2006年6月。
高啓安先生からいただいた。ありがとうございました。

 万暦44年(1616)明・李應魁が完成させた粛州(現在の甘粛省酒泉市を中心とした地域)の地方志の校注。地理的情報はもちろんだが、粛州あたりの少数民族(特に裕固族:ユグル族:Yugur:甘州廻鶻の末裔と13世紀華北にいたモンゴル族の末裔がいるとされる)の生活や州との関係などを知るには格好の史料であるらしい。

拝受 転型期的敦煌語言文学2010/09/04 00:41

顔延亮(主編)『転型期的敦煌語言文学』甘粛人民出版社、2010年1月。

高啓安先生からいただいた。ありがとうございました。周紹良先生没後三年に際して2008年8月に開催された敦煌学の研究会の論文集。

 周紹良先生に関わる文から論文まで全部いれると52本が収載される。557頁。出版社は違うが『転形期的敦煌学』に装丁がそっくり。
 興味を引くタイトルがたくさんあるが、そのうち若干を後日、ここに記録しておく予定である。日本国内書店では未発売のようである。

新収 敦煌学 第27輯、28輯2010/09/07 17:22

『敦煌学』第27輯、南華大学敦煌学研究中心、2008年2月

『敦煌学』第28輯、南華大学敦煌学研究中心、2010年3月

数ヶ月前に購入。その後、第28輯は一部いただいたので、ダブってしまった。いずれも重要な論文が収載されており、かつ切り口が斬新なものも少なくない。あとで読んだもの、関心をもったものを書きとめておくことにしたい。
南華大学敦煌学研究中心 
 http://www.nhu.edu.tw/~NHDH/2-1.htm (27輯までの掲載論文がPDFが公開されている)

新収 The Nestorian Documents and Relics in China2010/09/13 18:10

P.Y.Saeki,The Nestorian Documents and Relics in China,Maruzen ,Tokyo,1937.
P.Y.Saeki ,景教文献及遺物目録(第二版)、丸善、1950

 上は佐伯好郎の景教研究の英語版。キリスト教関係ということもあって、海外ではいまだに影響力をもっている。論文は日本語でも読めるが、海外で引用されるのはおおかた、英語版で、被引用箇所を確認するには英語版のほうが便利である。疑義が示されている文献もあるが、自分でできるかぎり、確かめていくことにする。
 下は50頁ほどの関係論文の目録冊子。

新収 法制史研究 第十六期2010/09/16 18:14

中国法制史学会・中央研究院歴史語言研究所(主編)『法制史研究』第十六期、2009年12月。

天聖令特集号。

高明士、天聖令的発現及其歴史意義
牛来潁、『天聖令』復原研究中的幾個問題
丸山裕美子(著)方国花(訳)、唐日医疾令的復原与対比―対天聖令出現再思考
羅彤華、唐代官人的父母喪制―以「仮寧令」”諸喪解官”条為中心
陳俊強、無冤的追求―従『天聖令・獄官令』試論唐代死刑的執行
古瀬奈津子(著)高丹丹・孫愛維(訳)日唐営造関係条文的検討
黄正建、『天聖令・雑令』的比較研究

その他6本のうち1本
鈴木秀光、「獄成」之現場―清代後期刑事審判上的認罪口供和聚証