新収 中国五代国家論 ― 2011/02/28 18:03
山崎覚士(著)『中国五代国家論』思文閣出版、2010年11月。
分裂期と見られてきた「五代」の国家における「天下」とはなにかを論ずる。この時代を扱う専著はそれほど多くないので貴重な1冊。
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215454
そういえば私事だが、某所で書評を書いた際、その著者の扱う敦煌文献が北宋代のものまで含んでいると前置きしながら、著者の専門について「北朝隋唐」という言葉を使ってしまったが、正確には「北朝隋唐五代」とすべきところであった。敦煌文献は時期としては晩唐~五代のものが多いのである。
分裂期と見られてきた「五代」の国家における「天下」とはなにかを論ずる。この時代を扱う専著はそれほど多くないので貴重な1冊。
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215454
そういえば私事だが、某所で書評を書いた際、その著者の扱う敦煌文献が北宋代のものまで含んでいると前置きしながら、著者の専門について「北朝隋唐」という言葉を使ってしまったが、正確には「北朝隋唐五代」とすべきところであった。敦煌文献は時期としては晩唐~五代のものが多いのである。
新収 高句麗壁画古墳と東アジア ― 2011/02/28 18:12
門田誠一(著)『高句麗壁画古墳と東アジア』思文閣出版、2011年1月。
「従前、主流となっていた高句麗壁画と魏晋南北朝の中国壁画墓との図像の比較やそれによる類似性の指摘という研究方法から脱却して、同時代の史料やそこにみられる器物と実際の出土遺物およびそれらの壁画資料との対照的かつ相関的な検討から、壁画墓主の背景に存する思想や信仰、および社会構造的な側面を分析することを企図した」(終章より)
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215461
飛鳥時代古墳との対比は見られるが只の比較や相違点を述べるのでなく、その奥まで踏み込んだということであろう。これから精読することにしたい。
「従前、主流となっていた高句麗壁画と魏晋南北朝の中国壁画墓との図像の比較やそれによる類似性の指摘という研究方法から脱却して、同時代の史料やそこにみられる器物と実際の出土遺物およびそれらの壁画資料との対照的かつ相関的な検討から、壁画墓主の背景に存する思想や信仰、および社会構造的な側面を分析することを企図した」(終章より)
http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784215461
飛鳥時代古墳との対比は見られるが只の比較や相違点を述べるのでなく、その奥まで踏み込んだということであろう。これから精読することにしたい。
新収 新史料・新観点・新視角 天聖令論集 ― 2011/02/28 18:25
台師大歴史系・中国法制史学会・唐律研読会(編)『新史料・新観点・新視角 天聖令論集』(上)(下)、元照出版社、2011年1月。
日本と中国の研究者が何度も研究会を開くことで得られた新見解を収録したものということのようである。
東方書店の紹介が詳しい。
http://www.toho-shoten.co.jp/toho-web/search/detail?id=341425&bookType=ch
丸山先生の論文は以前紹介した以下のものに基本的に同じ。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2010/09/16/5350464
『法制史研究』第十六期に掲載された天聖令関係の論文は他のものも収録されている。このほか、医疾令に関する論文に、陳登武「皇権・医療資源・医事法規」がある。
日本と中国の研究者が何度も研究会を開くことで得られた新見解を収録したものということのようである。
東方書店の紹介が詳しい。
http://www.toho-shoten.co.jp/toho-web/search/detail?id=341425&bookType=ch
丸山先生の論文は以前紹介した以下のものに基本的に同じ。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2010/09/16/5350464
『法制史研究』第十六期に掲載された天聖令関係の論文は他のものも収録されている。このほか、医疾令に関する論文に、陳登武「皇権・医療資源・医事法規」がある。
新収 トルキスタン文化史 1 ― 2011/02/28 18:44
V.V.バルトリド(著)、小松久男(監訳)『トルキスタン文化史』1、平凡社東洋文庫、2011年2月。
原書名:Bartolʹd, Vasiliĭ Vladimirovich "Istorii︠a︡ Kulʹturnoĭ zhizni Turkestana"Leningrad,1927.
バルトリド(1869-1930)の本が日本語縦書きで読める。そして読んでみると、これは、と思うような記述がある・・・・。翻訳の効用である。
しばしば古書店でずいぶん昔の『欧洲殊に露西亜に於ける東洋研究史』をみかけたため、そのイメージがすり込まれ、古色蒼然とした感じを持ってしまっていた。「トルキスタンのギボン」(東洋文庫の帯)とまで呼ばれていたのか。
原書名:Bartolʹd, Vasiliĭ Vladimirovich "Istorii︠a︡ Kulʹturnoĭ zhizni Turkestana"Leningrad,1927.
バルトリド(1869-1930)の本が日本語縦書きで読める。そして読んでみると、これは、と思うような記述がある・・・・。翻訳の効用である。
しばしば古書店でずいぶん昔の『欧洲殊に露西亜に於ける東洋研究史』をみかけたため、そのイメージがすり込まれ、古色蒼然とした感じを持ってしまっていた。「トルキスタンのギボン」(東洋文庫の帯)とまで呼ばれていたのか。
新収 ソグド人の美術と言語 ― 2011/02/28 19:05
曽布川寛・吉田豊(編)『ソグド人の美術と言語』、臨川書店、2011年2月。
出版社のページ
http://www.rinsen.com/linkbooks/ISBN978-4-653-04049-1.htm
第1章 ソグド人とソグドの歴史 (吉田豊)
第2章 ソグド人の壁画 (影山悦子)
第3章 ソグド人の言語 (吉田豊)
第4章 中国文化におけるソグドとその銀器 (斉東方 /訳:古田真一)
第5章 中国出土ソグド石刻画像の図像学 (曽布川寛)
昨年末頃だろうか、出るぞという噂を聞いて、まもなくホームページに広告はみつけたが、その後、刊行が遅れていった印象だった。そして2月末に刊行、入手できた。
題名に「ソグド人」と名付けられたもの自体少ないが、ソグド人の言語や壁画について日本語で分析をしめしたものも限られている。その意味でこれからの研究の基準となるような一冊。
出版社のページ
http://www.rinsen.com/linkbooks/ISBN978-4-653-04049-1.htm
第1章 ソグド人とソグドの歴史 (吉田豊)
第2章 ソグド人の壁画 (影山悦子)
第3章 ソグド人の言語 (吉田豊)
第4章 中国文化におけるソグドとその銀器 (斉東方 /訳:古田真一)
第5章 中国出土ソグド石刻画像の図像学 (曽布川寛)
昨年末頃だろうか、出るぞという噂を聞いて、まもなくホームページに広告はみつけたが、その後、刊行が遅れていった印象だった。そして2月末に刊行、入手できた。
題名に「ソグド人」と名付けられたもの自体少ないが、ソグド人の言語や壁画について日本語で分析をしめしたものも限られている。その意味でこれからの研究の基準となるような一冊。
新収 Iskusstvo Sogda ― 2011/02/28 19:49
Б. И. Маршак," Искусство Согда", Государственный Эрмитаж,Санкт-Петербург,2009.2
B.I.マルシャーク監修、エルミタージュ美術館刊行のブックレットサイズのガイド『ソグドの芸術』。フルカラーの写真多数。エルミタージュ美術館にはソ連時代に中央アジア発掘で収集された遺物が多数展示されている。このブックレットでは主に壁画の解説がなされている。なお、ソグド美術の大家マルシャークは2006年に逝去している。
お土産に買ってくれば喜ばれたであろうが、店頭に一冊しかなかった。
http://www.ozon.ru/context/detail/id/4886710/
B.I.マルシャーク監修、エルミタージュ美術館刊行のブックレットサイズのガイド『ソグドの芸術』。フルカラーの写真多数。エルミタージュ美術館にはソ連時代に中央アジア発掘で収集された遺物が多数展示されている。このブックレットでは主に壁画の解説がなされている。なお、ソグド美術の大家マルシャークは2006年に逝去している。
お土産に買ってくれば喜ばれたであろうが、店頭に一冊しかなかった。
http://www.ozon.ru/context/detail/id/4886710/