拝受 北斉祖珽考 ― 2007/10/12 19:38
稲住哲朗「北斉祖珽考―その政治姿勢を中心として―」、『東洋学報』第89巻第2号、2007年9月。
稲住さんからいただいた。ありがとうございました。
祖珽は北斉後期の激動の中、浮沈をくりかえし、宰相ともなった人物。同時代人の顔之推などと対比しても興味深い存在である。稲住氏はそうした点もふまえ、彼の政治的立場や振る舞いから「五胡十六国から北朝への歴史展開を受けた「重層的な」意識」を読み取ろうとしている。
稲住さんからいただいた。ありがとうございました。
祖珽は北斉後期の激動の中、浮沈をくりかえし、宰相ともなった人物。同時代人の顔之推などと対比しても興味深い存在である。稲住氏はそうした点もふまえ、彼の政治的立場や振る舞いから「五胡十六国から北朝への歴史展開を受けた「重層的な」意識」を読み取ろうとしている。
新収 中国思想史 ― 2007/10/12 20:31
溝口雄三、池田知久、小島毅『中国思想史』、東京大学出版会、2007年9月。
興味深い構成、内容。
ただ「はしがき」の「これまで中国の歴史は往々、外来の、つまりヨーロッパの、ときにはヨーロッパ化した日本の概念や枠組みで組み立てられてきた」という一文にはかなり違和感をもった。
むしろ「中国思想史」の概説は往々にして著名な思想家の列伝であるかのような感じがあったと思う。だから本書のような形で歴史の流れの中に位置づけようとしたことは非常に有意義なことにおもったのだが。
大学生協で棚積みされているのを見たと思ったら翌日にはすべて無くなっていた。ようやく入手。
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-012056-2.html
興味深い構成、内容。
ただ「はしがき」の「これまで中国の歴史は往々、外来の、つまりヨーロッパの、ときにはヨーロッパ化した日本の概念や枠組みで組み立てられてきた」という一文にはかなり違和感をもった。
むしろ「中国思想史」の概説は往々にして著名な思想家の列伝であるかのような感じがあったと思う。だから本書のような形で歴史の流れの中に位置づけようとしたことは非常に有意義なことにおもったのだが。
大学生協で棚積みされているのを見たと思ったら翌日にはすべて無くなっていた。ようやく入手。
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-012056-2.html
新収 武田信玄と勝頼 ― 2007/10/12 21:34
鴨川達夫『武田信玄と勝頼-文書に見る戦国大名の実像』(岩波新書・赤)、岩波書店、2007年3月。
主題通り、信玄と勝頼の人間くささがうかがえる箇所もあるが、「文書と真剣に向き合うこと」は「神経を張り詰めながらも肩の力を抜いて、頭でっかちにならないように気をつけること」が伝わってくる本である。
文書の真偽の判別について書かれているくだりも技術として興味深い。
主題通り、信玄と勝頼の人間くささがうかがえる箇所もあるが、「文書と真剣に向き合うこと」は「神経を張り詰めながらも肩の力を抜いて、頭でっかちにならないように気をつけること」が伝わってくる本である。
文書の真偽の判別について書かれているくだりも技術として興味深い。