新収 東洋史研究 第66巻 第2号2007/10/25 18:48

『東洋史研究』 第66巻 第2号、2007年9月。

論文
 冨谷至、儀礼と刑罰のはざま-賄賂罪の変遷
 村井章介、朝鮮史料から見た「倭城」
 中島楽章、封倭と通貢-一五九四年の寧波開貢問題をめぐって
紹介
 川本芳昭、牟発松主編『社会与国家関係視野下漢唐歴史変遷』

 冨谷論文の「なぜ賄賂は罪なのか」という問いはユニークで、北魏における賄賂罪の規定を重要なポイントとみている。
 村井、中島論文は秀吉の朝鮮侵略にかかわるもので、二本が並ぶとまるで日中朝三者の新領域がうまれたような観するある。
 最後の紹介は現在かわりつつある中国の研究動向をよくあらわしているように思った。

新収 文物 総616期2007/10/25 19:16

文物編輯委員会『文物』総616期、2007年9月。

洛陽市文物工作隊、洛陽関林皂角樹西晋墓
洛陽市文物工作隊、洛陽潤河東岸発現的一座西晋墓

強く興味をひくものがあまりない。次号予告によるとロプノール関連と、邙山陵墓群関連の内容となっているので期待しよう。

新収 敦煌西域古蔵文社会歴史文献2007/10/25 19:42

F.W.托瑪斯(編著)、劉忠・楊銘(訳注)『敦煌西域古蔵文社会歴史文献』、民族出版社、2003年3月。

原著は
F. W. Thomas,Tibetan literary texts and documents concerning Chinese Turkestan,London,1935.

ひさびさにダブりました。簡装と精装の両方を買ってしまった。
 敦煌文献の研究ではチベット語の文献研究でなくてもしばしばF. W. Thomasの著が引用される。原著はたいてい高価だが中国語訳書は安いのでおとくな気分ではある。
 ただその重要性はわかっていても中をよく見てなかったので、二冊も買うことになってしまった。

新収 A Survey of Buddhist Sogdian Studies2007/10/25 21:15

David A. Utz., A survey of Buddhist Sogdian studies, Tokyo, Reiyukai Library, 1978.

 ソグド語研究史やその概要をつかむのにちょうどよい入門書という感じの小冊子。高田時雄先生の論文に引用されていたことから知った。ただ全25ページときわめて少なく、タイプライターで打った原稿を複写、簡易製本したものなので、読みたい方はコピーがおすすめである。
 私はカナダの古書店からそこそこの値段で入手したが、ただでさえ図書にかかる出費が大きいので、ダブり買いにつづいて痛い失敗に感じた。もちろん本の価値をいっているのではない。