拝受 北朝時期漢族官僚在首都居住的情況 他2007/10/29 17:32

室山留美子、北朝時期漢族官僚在首都居住的情況-以東魏北斉官僚葬地選択為綫索、井上 徹・楊振紅(編)『中日学者論中国古代城市社会』、三秦出版社、2007年5月。
室山留美子、北魏の郡望-上谷寇氏を中心に、『史学研究』第258号、2007年9月。

室山さんからいただいた。ありがとうございました。

ともに北朝の墓誌を扱う研究者には必見に思われる。先に「北魏漢人官僚とその埋葬地」(東洋学報87-4、2006)を発表されており、北魏ー北斉の墓葬に一貫したテーマを追っている。また鎮墓獣の一連の研究もある。
 使っている史料や考証の過程をみると、これらを書くのに準備も入れて、3~5年もしくはそれ以上を要したのではなかろうか。実際、ある時代のある資・史料群をまともに扱うと準備も入れて5年タームで熟考していかないとしっかりした成果はでないように思うが(少なくとも私はという話で失礼だが)、ここに上げた3点は以前の研究から連なる北朝墓研究として、それに伴う問題に慎重かつ真っ向からむかいつつある。

 私も大いに関心があったテーマだが、ちょっとのつもりで手を出した敦煌文献の深みにはまり(それはそれでよいのだが)、結果として北朝の墓葬や墓誌に基軸をおくことはしばらく困難である。北朝墓誌の件数はすでに一定量に達し、発掘報告にも詳細なものが増えている。その意味で熟したテーマとなりつつあり、興味深い研究が出てくる予感がしていた。