新収 日中書法の伝承2008/03/21 17:49

謙慎書道会『日中書法の伝承』二玄社、2008年3月。

 先週末、東京美術倶楽部で開催されている謙慎書道会展70回記念『日中書法の伝承』をみてきた。
 
 ブログを書く暇がなかったので、今頃報告となったが、これが漢代から三国の簡牘や磚、また北朝墓誌の研究者、敦煌文献研究者にとてもよい内容であった。いや、たぶん殷代や宋元明の人も無関係ではない。もちろん、伝・紀貫之とか「和」のものもありました。

図録は4000円。自分が見たいのはその一部に過ぎないのだが、それでも価格に見合った写真が撮られている。こんな鮮明な写真はそうそうあるものではないので、当然、購入した。

3月22日まで新橋駅と浜松町駅の間あたりにある東京美術倶楽部で開催されている。
http://www.nisk.jp/tenrankaijoho/tenrankaijoho_08_02.html

出品されている敦煌文献は13点、いずれも敦煌研究院の所蔵(うち8点は青山杉雨氏旧蔵)。
 また出土地点での内訳では、蔵経洞発見のものが9点、土地廟出土のものが4点となっている。
 内容から見ると北魏期の写経が中心だが、北宋乾徳二年(964)の「酒帳単」(酒の消費記録簿)も出品されている。ただ字数が多く、どこに紀年の根拠があるのかはぱっと見ではわからなかった。また「帰義軍節度使新鑄印」の朱印が四箇所にあったり、「訶黎勒酒」とか「迴鶻婆助葬酒壹瓮」、興味を引く記述もみえた。いろんな意味でなかなかおもしろいものであった。

コメント

トラックバック