新収 大公家教注解2009/05/29 00:02

幼学の会(編)『大公家教注解』汲古書院、2009年。

 敦煌吐魯番文献の『大公家教』残巻に関する研究・訳注。数多く存在する異本の関係を系統的に整理している。図版もおさめられている。
 『大公家教』は平安期の史料に登場するほか、東福寺や金沢文庫にも所蔵されていた幼学書ということだが伝本はない。幼学書とは『蒙求』のような児童向けの教科書等のことで、童蒙書とよばれるものに同じである。
 敦煌吐魯番文献には『大公家教』はじめとした童蒙書の類が多数あり、出土資料全体の性格やその地の基層文化を理解する上で、仏典同様、重要である。

内容的に関係する近年の業績に『敦煌文書にみる学校教育』がある。また、張娜麗『西域出土文書の基礎的研究―中国古代における小学書・童蒙書の諸相』汲古書院、がある。
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