拝受 杏雨 第12号2009/05/28 18:21

杏雨書屋武田科学振興財団、『杏雨』第12号、2009年。

総ページ数453頁。特に本草学史、医史学に関わる 数々の講演録の内容が掲載されている。以下はそのうちの2点のタイトル。

古泉圓順
 杏雨書屋蔵『香要抄』二 (杏雨書屋蔵本、釈文校異、解題)

町泉寿郎
 江戸期名医たちの書翰

『香要抄』一は前号に掲載されている。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2008/06/26/3597091

新収 道家・道教思想とその方術の研究2009/05/28 18:35

坂出祥伸(著)『道家・道教思想とその方術の研究』汲古書院、2009年。

6編23章の構成となっている。

第一編 道家・道教の思想
第二編 道教的方術の諸相(一) 呪術医療
第三編 道教的方術の諸相(二) 占卜・呪言・呪符
第四編 密教と道教の交渉
第五編 日本の養生法と医療
附編 日本における中国哲学研究の学問的確立ー小島祐馬を中心に

 全般的に敦煌文献の医薬・養生史料や宗教史料に言及している箇所が少なくない。とくに第二編、第四編に含まれる論文では重要な位置を占めている。また第三編には漢族以外の占卜や鎭墓文・買地券に関わる宗教的な考察もみられる。「あとがき」からは著者の考えがどのようにひろがっていったかがうかがえる。
 こうした研究は宗教とか医学というひとつの枠におさまらないが、近年とくに海外の研究者に注目されるジャンルになっている。本書はその開拓的著作のひとつである同著『中国思想研究-医薬養生・科学思想篇』の続編に位置づけられている。