新収 道家・道教思想とその方術の研究2009/05/28 18:35

坂出祥伸(著)『道家・道教思想とその方術の研究』汲古書院、2009年。

6編23章の構成となっている。

第一編 道家・道教の思想
第二編 道教的方術の諸相(一) 呪術医療
第三編 道教的方術の諸相(二) 占卜・呪言・呪符
第四編 密教と道教の交渉
第五編 日本の養生法と医療
附編 日本における中国哲学研究の学問的確立ー小島祐馬を中心に

 全般的に敦煌文献の医薬・養生史料や宗教史料に言及している箇所が少なくない。とくに第二編、第四編に含まれる論文では重要な位置を占めている。また第三編には漢族以外の占卜や鎭墓文・買地券に関わる宗教的な考察もみられる。「あとがき」からは著者の考えがどのようにひろがっていったかがうかがえる。
 こうした研究は宗教とか医学というひとつの枠におさまらないが、近年とくに海外の研究者に注目されるジャンルになっている。本書はその開拓的著作のひとつである同著『中国思想研究-医薬養生・科学思想篇』の続編に位置づけられている。

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