拝受 唐代帖文的形態与運作 ほか2011/02/04 21:16

雷聞、唐代帖文的形態与運作、『中国史研究』2010年第3期、2010年。
朱溢、唐宋時期太廟数的変遷、『中華文史論叢』2010年第2期、2010年。

雷聞、朱溢さんからいただいた。ありがとうございました。いただいてから紹介が遅くなってしまった。

 前者は唐代の文書の様式のうち、下行文書である「帖」についてその機能と運用を論ずる。公文書研究である。中村裕一、荒川正晴、赤木崇敏氏らの論文が良く参照されている。下のリンクは以前いただいた論文。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/09/08/4568759
 後者は王粛、鄭玄の解釈が唐宋期の七廟制の変遷にどのように影響しているかを論ずる。

雑務(ただただ単純で面倒な作業が主)だけでなく、大事な作業(頭を使う)もいっぱいで時間がない。しかもどちらかといえば雑務でくたびれて頭がまわらないという現状。
 いろいろ送っていただいたのですが、すいません。

新収 史学雑誌 第119編第12号2011/02/10 00:04

『史学雑誌』第119編第12号、2010年12月。

 渡邉将智、後漢洛陽城における皇帝・諸官の政治空間

 後漢の政治空間に関する論考。唐代史ではこれまでも注目されてきた分野だが、漢代では新潮流のさきがけかもしれない。漢長安城の発掘整備も進んでいるようなので、更なる進展が期待できそう。

私事ですが、ようやく復活。研究時間がない。たぶんまた沈むことになるかもしれないが、その前になんとかいただいたものだけでも紹介を。

新収 義和団事件風雲録2011/02/10 22:33

菊池章太(著)『義和団事件風雲録―ペリオの見た北京』、大修館書店、2011年2月。

 1900年、義和団事件がおきたとき、その渦中にいたフランスの東洋学者ペリオの記録をもとに近代の中国、北京、敦煌、東洋学を活写している。銃弾が飛び交うなか活動する若いペリオの姿がうかがえる。  
 ペリオとはもちろん、莫高窟蔵経洞のなかで、一心不乱に写本を見ている写真で有名なその人である。
 莫高窟と蔵経洞に関わるペリオの資料には最近公開されたばかりのものもあるのですね。そういえば、松井先生のブログではかなり前に取り上げてましたね。

拝受 唐史論叢 第12輯2011/02/11 16:23

杜文玉(主編)『唐史論叢』第12輯、三秦出版社、2010年4月

執筆者の1人の内田さんからいただいた。ありがとうございました。

28点の論文が収録され、これまで唐代史で扱われてきた課題の他、天聖令、ソグド人、敦煌吐魯番文献と興味深いタイトルがならび、目次を全部をかきぬいておきたいが、とりあえず現在の自分の興味に絞る。

孟彦弘、“姑息”与“用兵”-朝廷藩鎮政策的確立及其実施
李鴻賓、安菩墓誌銘再考-一個胡人家族入居内地的案例分析
内田宏美、唐代室韋墓葬和森林草原地帯-以“角弓”的分析為中心
朱振宏、東突厥処羅可汗与頡利可汗家族入唐後的処境及其漢化
趙喜恵、唐代胡商宗教信仰探析
程義、関中唐代墓葬里的道教因素鉤沈
温翠芳、中古時代絲綢之路上的香薬貿易中介商研究
陳習剛、吐魯番文書所見葡萄加工製品考辨
王義康、薩珊銀幣的東輸与唐代突厥等内附諸族
陳濤、唐宋時期造紙業重心的地理変遷

近況はあきらかに疲労、体調不全。
この時期に天候が悪い地域にいるわけだが、こたえる。

拝受 東西交渉とイラン文化2011/02/12 00:19

井本英一(編)『東西交渉とイラン文化』(アジア遊学 137)、勉誠出版、2010年12月

執筆者の森部豊先生と山下将司先生からいただいた。ありがとうございました。ユーラシア大陸をまたぐ豪華な執筆陣。

井本英一、はじめに―東西交渉とイラン文化  
井本英一、ミトラ信仰の東西  
岡田明憲、世界精神史におけるゾロアスター教―宗教思想の文化交渉面を中心に  
松村一男、(コラム)アナーヒター女神の東西 
吉田敦彦、(コラム)アーサー王伝説に見られる、スキュタイ神話との顕著な類似
奥西峻介、四ツ目の犬・四ツ白の犬
前田耕作、ヘレノ・イラニズムと仏教の交流
森茂男、大乗仏教に入ったイラン文化的要素―阿弥陀仏と極楽をめぐって 
杉田英明、佛教説話「井戸のなかの男」の西方伝播 ―ペルシア文字の貢献を中心に 
岡本健一、(コラム)アレクサンダー伝説の東漸 
竹原新、イランのこぶとりじいさんとその背景 
井本英一、元型、複合、伝播 
森谷公俊、アレクサンドロスの東征軍とペルシア文化
田辺勝美、ササン銀器から見た東西文化交流―獅子と虎の描写をめぐって 
道明三保子、東西交流におけるイラン染織―連珠円文錦の系譜 
星谷美恵子、(コラム)花菱の文様にみる東西交流―イラン織物と絵絣の関連から
谷一尚、サーサーン朝ペルシア・ガラスの「直」(中国・東方流入)と「風」(中国・東方化)
由水常雄、(コラム)工芸分野からみた古代イランの文化交流
森部豊、ソグド人の東方進出とその活動―商業活動と外交活動を中心に
山下将司、隋唐の建国と中国在住ソグド人 
青木健、パールスィーの中国・日本来航―近現代の極東ゾロアスター教文化

新収 三秦瑰宝 ほか2011/02/23 02:07

陝西歴史博物館(編)『三秦瑰宝ー陝西新発現文物精華』、陝西人民出版社、2001年6月。
陝西歴史博物館・北京大学考古文博院他(編著)『花舞大唐春ー何家村遺宝精粋』、文物出版社、2003年5月。
呂建中(主編)『西安大唐西市博物館』、陝西人民出版社、2010年3月。

 いずれも陝西省の漢から唐の文物を主体とした図録(後の2冊は特に唐代が中心、最後の1冊は企業出資によって建設された博物館の図録でシルクロード文物に重心を置く)
 この3冊と前掲の『絲綢之路 大西北遺珍』で21世紀最初の10年で陝西省でどれだけ多くの文物が発掘され、博物館に収蔵されたのかがよくわかる。
 とくにその内容からは中原に都をおいた政権に関する研究のみならず東西交渉の研究においても西安・洛陽の中原文物が重要な意義をもつことが感じ取れる。

新収 西市宝典2011/02/23 02:26

胡戟(主編)『西市宝典』(上・下冊)、陝西師範大学出版社、2009年2月。

前掲の大唐西市博物館による研究叢書。上篇は「隋唐長安与西市」、下篇は「絲綢之路与西市」となっており、「隋唐帝国とシルクロード」を意識したつくりになっている。内容的にはやや概説的だが、とくに最近の発掘でなにがわかったのか(どう整理されているのか)などがわかりやすく鳥瞰できるという意味で価値がある。

新収 概説中国思想史2011/02/23 18:24

湯浅邦弘(著)『概説中国思想史』、ミネルヴァ書房、2010年10月

 これまでの「思想史」とは違う斬新な視角で組まれている。とくに第14章以降に文字学、新出土文献、目録学、史学思想、民間信仰、軍事思想、日本漢学などのジャンルがたてられているのがユニーク。歴史学研究者も一見の価値がある。また編者自身の研究蓄積がうまくいかされている。

目次はこちら
http://www.minervashobo.co.jp/book/b75808.html

 刊行されてすぐに購入したのだが、すでに4ヶ月がたってしまった。その間、やることがずいぶんあり、海外にも何度も出かけ、もう1年くらいすぎたような感覚がある。こまるのは1ヶ月ほど前から突如めまいがあることで、少し休む必要がありそうだ。禁酒・禁コーヒー中で能率が上がらないこと甚だしい。

拝受 戦国秦漢時代における王権と非農業民 ほか2011/02/23 19:00

柿沼陽平、戦国秦漢時代における王権と非農業民、『史観』第163冊、2010年。
柿沼陽平、三国時代の曹魏における税制改革と貨幣経済の質的変化、『東洋学報』第92巻第3号、2010年12月。

 柿沼さんからいただいた。いつもながら中国古代史における経済人類学的視点が斬新。しかし、奇をてらうことのない論証が展開される。
 たしか先日、これまでの成果をまとめた単著を上梓されたはずで、一応、同門から出た感じもある自分は、水間さんにつづいて柿沼さんにも先を越されてしまったことになる。まあ自分の低能力を呪うしかないだろう。

拝受 西ウイグル時代のウイグル文供出命令文書をめぐって ほか2011/02/23 19:23

松井太、西ウイグル時代のウイグル文供出命令文書をめぐって、『人文社会論叢(弘前大学人文学部)』(人文科学篇)、第24号、2010年8月。

Dai Matsui,Uigur Manuscripts Related to the Monks Sivšidu and Yaqšidu at “Abita-Cave Temple” of Toyoq、新疆吐魯番学研究院(編)『吐魯番学研究──第三届吐魯番学暨国欧亜遊牧民族的起源与遷徙国際学術研討会論文集』、上海古籍出版社、2010年5月。

松井先生からいただいた。前者は西ウイグル時代のウイグル文供出命令文書3件に関する論考。紙質、官印、テキスト分析などからそれらの性格を浮き彫りにしている。ウイグル文書がそれほどないことから漢文文書から得られた知識も援用している。原資料をあつかう際には参考になる点が少なくない。