拝受 陰陽五行のサイエンス 思想編2011/05/02 20:16

武田時昌(編)『陰陽五行のサイエンス 思想編』京都大学人文科学研究所、2011年2月。

武田先生からいただいた。ありがとうございました。いただいてからずいぶん時間がたってしまった。函入上製本ということで書影は省略させていただく。
 3部構成で18篇が収録される。興味深い論考がずらりと並ぶ。ネットで目次をさがしてみたのだけど、まだ無い。少々、全部入力するのはしんどいので、まずは構成(著者名:追加)を紹介。

第一部 陰陽五行説のパラダイム形成
 武田時昌、森村謙一、古藤友子、大形徹、清水浩子、宇佐美文理

第二部 道教、医術、占術のなかの陰陽五行説
 加藤千恵、金志玹、多田伊織、閻淑珍、宮崎順子、佐藤実

第三部 陰陽五行説の日本的展開
 坂出祥伸、佐野誠子、水口幹記、熊野弘子、舘野正美、水野杏紀

後で論文タイトルを書き足したい。

 私事:
 Firefox4にアップデートしてみたらすこぶる調子が悪いので、Chromeに乗り換え。
 ここのところパソコンの各所に不調がでてきて能率があがらず、現用の数台はHDDやめて全部SSDに換装してようやく快調になった。要はアップデートを繰り返すうちにOSが重くなり、ディスクの断片化もすすんでいたことが各所に影響していたようである。それで環境はよくなったはずなのだが、Firefox4は機種によって挙動が違うらしい。

 いただきものや眼を通していない雑誌が山積みとなった。書くスケジュールもついに来年度にまで食い込んでしまった。ともかくモノ覚えが悪いので、最初から勉強しなおしたいこともたくさんあるのだが、さて、どうしよう。

拝受 敦煌吐魯番文書与唐代西域史研究2011/05/02 21:05

劉安志(著)『敦煌吐魯番文書与唐代西域史研究』(珞珈史学文庫)、商務院書館、2011年2月。

武漢大学の劉安志先生からいただいた。ありがとうございました。いただいてから1ヶ月近くが過ぎてしまった。10余年の間に公表してきた敦煌吐魯番文書に関する論文に修正をくわえ、1冊としたもの。全部で16篇を収録する。

唐初対西州的管理―以安西都護府与西州州府之関係為中心
唐初西州的人口遷移
読吐魯番所出『唐貞観十七年(643)六月西州奴俊延妻孫氏弁辞』及其相関文書
従吐魯番出土文書看唐高宗咸亨年間的西域政局
唐初的隴右諸軍州大使与西北辺防
敦煌所出張君文書与唐中宗景龍年間西域政局之変化
敦煌吐魯番文書所見唐代「都司」考
他9編

拝受 敦煌寫本研究 第5号2011/05/10 17:23

『敦煌寫本研究』第5号、京都大学人文科学研究所「西陲発現中国中世写本研究班」、2011年3月

編集にあたられた高田先生からいただいた。ありがとうございました。またお手数おかけしました。
 なお原文、雑誌名はすべて正字表記だが、ここでは、誌名以外、通行字体にさせていただいた。敦煌秘笈関連の研究を中心に興味深い論考がならぶ。

高田時雄、李盛鐸旧蔵写本《駅程記》初探 
劉永明、敦煌占卜文書中的鬼神信仰研究
岩本篤志、敦煌占怪書「百恠図」考-杏雨書屋敦煌秘笈本とフランス国立図書館蔵本の関係を中心に  
玄幸子、羽39Vを中心とした変文資料の再検討
赤木崇敏、唐代敦煌県勘印簿 羽61,BD11177,BD11178,BD11180考
石立善、吐魯番出土儒家経籍残巻考異
藤井律之、Dh17449「夾注本黄石公三略」小考
荒見泰史、敦煌本《受八関斎戒文》写本の基礎的研究
永田知之、『国清百録』管窺――書札文定型化の資料として
山口正晃、『十方千五百仏名経』全文復元の試み
岩尾一史、チベット支配初期の敦煌史に関する新史料-IOLTibJ915とIOLTib292(B)
山本孝子、僧尼書儀に関する二、三の問題-敦煌発見の吉凶書儀を中心として   
趙青山、写経題記所反映的古人病患理念――以敦煌写経為中心
高井龍、「金剛醜女縁」写本の基礎的研究

 第5号はWeb上で公開されている。収録論文名すべてをあげたのは拙稿が含まれるからではなく(笑)、入力の省力化ができたためである。 
 http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takata/xichui.html
 
 ちなみに過去未来一切の著述を電子化する権利を現勤務先等に付与するよう要求するところもあるが(!)、雑誌刊行者が執筆者の了解の下、電子データを公開していくのが自然な流れであろう。

拝受 隋唐~西夏時代の黒河流域-多言語資料による流域史の研究2011/05/11 18:03

佐藤貴保、隋唐~西夏時代の黒河流域-多言語資料による流域史の研究、中尾正義(編)『オアシス地域の歴史と環境-黒河が語るヒトと自然の2000年』、勉誠出版社、2011年3月。

佐藤先生からいただいた。ありがとうございました。
 隋唐~西夏時代の黒河流域について環境史的な資料と歴史史料をもちいて概説している。西夏の部分については佐藤さんならではの史料が使われている部分が少なくなく、ご自身の研究の鳥瞰図にもなっているようである。また他担当者との共同執筆になる「コラム3:黒河下流域の遺跡と文字資料の発見」が付されており、資料群に関するわかりやすい説明がなされている

私事:いろんな方からいただきながらも紹介していない御著書、抜き刷りがまだまだたくさんある。書いても書いても読んでも読んでも山が低くならない。購入図書や月刊、季刊の雑誌の紹介までできるかどうかという状態。送っていただいた先生方、ありがとうございました。勉強させていただきます。

拝受 秩序与生活-中古時期的吐魯番社会 他2011/05/11 18:49

孟憲実・栄新江・李肖(主編)『秩序与生活-中古時期的吐魯番社会』(西域歴史語言研究叢書)、中国人民大学出版社、2011年1月。
栄新江・李肖・孟憲実(編)『新獲吐魯番出土文献研究論集』(西域歴史語言研究叢書)、中国人民大学出版社、2010年11月。

 執筆者である裴成国さんをとおして編者である北京大学の栄新江先生からいただいた。ありがとうございました。
 2冊合わせて50篇ほどの論文を載せる。おおよそ同じ資料群とはいえ、きわめて多岐にわたる種類の文献を扱う。社会経済史料や仏教史料にかんするもののみならず、周辺民族、外交、医術、占術、具注暦日にまでいたる論考が含まれている。ともに分厚い研究書。

後者はすでに紹介している。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2011/02/24/5703750

前者の目次をできれば入力して紹介したいと思います。

新収 Médecine, religion et société dans la Chine médiévale2011/05/13 20:30

Catherine Despeux / Isabelle Ang (ed.)
"Médecine, religion et société dans la Chine médiévale : Étude de manuscrits chinois de Dunhuang et de Turfan"
,Collège de France, Institut des Hautes Études Chinoises,Paris, 2010. (3 tomes sous étui, 1386 pages)

 実際は「新収」ではなく、半年以上前に購入し、今日まで紹介しそびれてきた研究書である。
 邦題にすると「中国中世における医術と宗教と社会-敦煌吐魯番漢文文書の研究」となる。全3分冊、総ページ数1381ページという巨冊。
 第1分冊と第2分冊は論文篇となっており、合計14本(執筆者9名)の論文を載せ、第3分冊は各種索引、コンコーダンス、論文目録になっている。
 これまでも敦煌占術文献であればM.Kalinowski氏の大著があり(追記:どうも本書はタイトルや執筆者からみてそれと一連のシリーズに属すとみるべきようだ)、敦煌医薬文献であれば、V. Lo & C.Cullen両先生の編著があった。しかもともに21世紀になってからの刊行であったから、こんなに短期間にこれほどの大著が出るとは予想してなかったので驚いた。今後、敦煌吐魯番の医術文献や占術文献を扱う際には避けて通れない内容と精度をもっている。

 たしか赤木崇敏さんがご自身が購入前に紹介してくださって、私は即ネットで購入。家計が苦しいのだが私費購入した。目次をみていくつかの論文をひろい読みしただけで大変な成果であることはすぐにわかった。解題されている文献が多い。さっと紹介するにはあまりにボリュームがあり、いまだに細部にまでは眼が通せていない。とりあえず新しい論文を書く際には先行研究を見逃さないよう本書をさっとみておくことにしている。
 本書刊行の前後、なぜか英語版Wikipediaの中国本草関連の記載がずいぶん充実してきていた。なぜだろうと思っていたのだが、こうした分野に関心をもって研究が進めている先生方が欧米言語圏にいたということと無関係ではなかったのかもしれない。

 特に執筆者に知人がいるわけではないが(その後、陳明先生にはお会いする機会があったが)、拙稿も僅かながら引用、参照いただいているのは光栄である。引用いただいた論文については後でかなり修正をくわえた。新稿もあるので、いつかは執筆者に送らせていただきたいと考えている。
 論文目次を邦訳して載せておきたいが、とりあえず以下のAFECのサイトから執筆者名と肩書きをコピーさせていただいた。
http://www.afec-etudeschinoises.com/Medecine-religion-et-societe-dans?lang=fr

Alain Arrault (École française d’Extrême-Orient)
Chen Ming (Université de Pékin)
Catherine Despeux (Institut National des Langues et Civilisations Orientales)
Ute Engelhardt (Université de Munich)
Fang Ling (Centre National de la Recherche scientifique)
Donald Harper (Université de Chicago)
Elisabeth Hsu (Université d’Oxford)
Vivienne Lo (Sir Wellcome Institute de Londres)
Éric Trombert (Centre National de la Recherche Scientifique).

新収 博物学と書物の東アジア ほか2011/05/16 17:42

高津孝(著)『博物学と書物の東アジア-薩摩・琉球と海域交流』、榕樹書林、2010年8月。
斯道文庫(編)『図説 書誌学-古典籍を学ぶ』、勉誠出版、2010年12月。
吉田歓(著)『古代の都はどうつくられたかー中国・日本・朝鮮・渤海』、吉川弘文館、2011年2月。

昨年度、購入した書籍の山の中から。いずれも面白い本なのだが読了するにはちょっと時間が。とりあえず記録。

新収 敦煌吐魯番学論稿 他2011/05/16 17:52

柴剣虹(著)『敦煌吐魯番学論稿』、淅江教育出版社、2000年5月。
方広錩(著)『方広錩敦煌遺書散論』、上海古籍出版社、2010年2月。

 これも昨年度購入したうちの2冊。前者は以前購入したつもりが手元にみあたらないので買い漏らしていたのだと思う。文学的内容の文献を主体に扱う。

 後者は仏教文献を主体にあつかうが、敦煌文献全体に関わる論考が少なくない。方広錩氏は敦煌文献については廃棄説をとる研究者であるが、これまで提示していた論は後の研究者に批判されていた点が少なくなかった。本書にはそれを改稿したものがふくまれる。未精読。

まだまだいただいたものがたくさんあるが、その前に購入記録。
もちろん購入してずいぶん時間がたったのに記録してないものもまだまだあるのだが。

拝受 アジアが結ぶ東西世界 ほか2011/05/20 17:54

橋寺知子、森部豊、 蜷川順子、新谷英治(共編)『アジアが結ぶ東西世界』(アジアにおける経済・法・文化の展開と交流)関西大学出版部、2011年3月。
栄新江、森部豊(訳・解説)「新出石刻史料から見たソグド人研究の動向」『関西大学東西学術研究所紀要』第44輯、2011年4月。

森部先生、栄新江先生からいただいた。ありがとうございました。
ともにいただいて半月以上が経っておりますがあらためて感謝。

前者の目次は以下のとおり。第1部は講演録のかたちで第2部は論文になっている。

第1部 関西大学3研究所公開合同シンポジウム「アジアが結ぶ東西世界」
 栄新江、イスラーム化以前の中央アジア―東西交渉史上の役割
 宮紀子、全真教からみたモンゴル時代の東西交流―和算の来た道
 Arindam Dutta、デルタと神々―帝国のピクチャレスクという景観
 羽田正、インド洋海域世界とイスラーム

第2部  論集「アジアが結ぶ東西世界」
 栄新江、イスラーム化以前の中央アジア―東西交渉史上の役割
 森部豊、東ユーラシア世界におけるソグド人の外交活動に関する覚書
 福田浩子、中央アジア・トルクメン人の民族衣装コイネクについて
 Arindam Dutta、デルタと神々―帝国のピクチャレスクという景観
 橋寺知子、インドにおける近代建築-伝統とモダニズム
 新谷英治、『キターブ・バフリエ』韻文序に見えるインド洋

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4873545226.html

後者は近年公刊された石刻史料集を精査、あらかた解説を加えているほか、どのようにソグド人の墓誌と判断するかなども記されており、必見の論文といえる。
 実は森部先生のはからいでここに扱われている資料の写真または実物をみせていただく機会も得た。なかなかたいしたものでした。

拝受 中古異相―写本時代的学術・信仰与社会2011/05/26 00:45

余欣(著)『中古異相―写本時代的学術・信仰与社会』、上海古籍出版社、2011年3月。

 復旦大学の余欣先生からいただいた。ありがとうございました。敦煌吐魯番文献、日本古写本、墓誌、呪術木簡(人形)などが史料として扱われている。掲載された文献等資料図版は原版が白黒のモノをのぞけばオールカラー。いただいて紹介するまでずいぶん時間がたってしまった。またいくつかの要所で拙稿を引いていただいているようである。
 結果として私の嗜好ともかぶってきた気もするが、こちらは単著が刊行できてないので(すでにまとめたのだが諸般の事情が)、後塵を拝することになった。ただ、単に後塵を拝するつもりはないので変化球(もしくは新志向)でお返しができればと思っています。

 実は既知の史資料のほとんどはまだ十分分析されていなかったり、どう分析してよいものかさえわかっていない場合も多い。データベースや目録で整理されたが・・というものが少なくないのである。余欣氏の著書はそうした史資料をどういうアングルからとらえれば、その時代の特徴がつかめるのかを試みている。またこうするのが王道だというような思い込みも威張ったところも感じられない。アイデアの詰まった著作である。

目次と概要はこちら
 http://www.sinoss.net/2011/0504/32472.html

あとがきはこちら
http://www.douban.com/group/topic/19796320/

まだまだいただきものや購入したモノがたくさんありますが、期日の迫った雑用が少なからずあるので・・・