新収 竈神と厠神2007/09/21 19:12

飯島吉晴『竈神と厠神-異界と此の世の境』(講談社学術文庫)、講談社、2007年9月。

1986年に人文書院から刊行されたものが再録されている。民俗学の専門書といってよいのだとおもう。本書には「庚申信仰試論」などものる。

 かなり普通(?)の家に生まれたつもりなのだが、家には竈の神と厠の神のお札は必ずはってあった。近くのお寺からでももらってきたのだろうから、本書で取りあげられているものとは重みも系統も違うのであろうが、無関係とはいえまい。その意味で異界はいつもそこにあった。

 竈神といえば、『荊楚歳時記』など南北朝時代の歳時記を思い出すが、よく考えると「宅経」などいわゆる風水系の知識も無関係ではない。

http://www.amazon.co.jp/dp/4061598376

新収 月刊 言語 Vol.36 No.102007/09/21 19:35

『月刊 言語』 Vol.36 No.10、2007年10月号。

特集:東アジアの文字文化――表現する文字、創造される文字

「漢字系文字」の世界――東アジアの文字と漢字の関わり(荒川慎太郎)
契丹文字(武内康則)
中国女文字――漢字を持てなかった女性たちの創造物(遠藤織枝)
チベット文字――二つの文字文化圏のはざまで生まれた文字(星 泉)
「伝統」と「規範」のイ文字(清水 享)
中国を統治したモンゴルの二種の文字(舩田善之)
白地村のホーツーベイ老東巴(浅葉克己)
ベトナムで出会った絵文字――デジタルフォントのための文字渉獵(谷本玲大)
非漢字から見た漢字文化(高田時雄)
日本語の文字の表現性――「薔薇」を巡って(笹原宏之)
字喃の創出からローマ字の選択へ(清水政明)
朝鮮の文字文化(藤本幸夫)

目次はこちら。
http://thistle.est.co.jp/tsk/detail.asp?sku=50710
珍しく公費購入した本の紹介。