拝受 西夏時代の河西地域における歴史・言語・文化の諸相に関する研究2010/04/01 00:06

荒川慎太郎(代表)『西夏時代の河西地域における歴史・言語・文化の諸相に関する研究』(科研費報告書、基盤研究C、課題番号19520598)、2010年3月。

佐藤貴保、楡林窟第29窟男性供養人像に見る西夏の官制ー官僚登用制度を中心に-
佐藤貴保、ロシア蔵カラホト出土西夏榷場使関連漢文文書群録文訂補
向本健、敦煌石窟群調査報告ー西夏支配期における敦煌石窟群について
佐藤友則、日本における西夏・タングート研究文献目録・続(稿)
荒川慎太郎、莫高窟・楡林窟・東千仏洞西夏文題記訳注

荒川先生、佐藤先生からいただいた。ありがとうございました

拙稿 新発田藩の蔵書目録について2010/04/03 03:01

岩本篤志、新発田藩の蔵書目録について-九代藩主・溝口直侯の「本草学」との関係を中心に、『環日本海研究年報』第17号、104~117頁、2010年3月。

「九代溝口直侯の廟号を冠する書目とその由来書であり、直侯が本草学に強い関心を抱いていた様子や藩の学問への考えをうかがうことができる。これまでに後者は読書記録の研究資料としてもちいられたが 、新発田藩の蔵書形成史における位置づけはあきらかにされておらず、前者は管見の限り言及されたことがない。
 本稿は栗田の示した資料にこれら新出資料をくわえ、新発田藩の旧蔵書群のあらましをあらためて把握しようとこころみたものである。」
 やや蕪雑な感じできれいにまとまっていない。後で書き直したい気もするがいつになるだろうか。

拙稿 敦煌本「霸史」再考2010/04/03 03:07

岩本篤志、敦煌本「霸史」再考-杏雨書屋蔵・敦煌秘笈『十六国春秋』断片考、『資料学研究』第7号、27 ~62 頁、2010年3月。

「ただ北魏・崔鴻撰『十六国春秋』は南宋期にはすでに佚書となり、現在、諸書に引用されている佚文を見渡しても、どれが原本からの正確な引用か必ずしもあきらかではない。また現存する『十六国春秋』の類はいずれも、明代以降に屠喬孫や湯球によって整理されたもので、崔鴻の原本を復原したものではない。もし、「敦煌秘笈」の三断片が『十六国春秋』か、それに近い霸史類に由来するのであれば、五胡十六国期の研究においても、唐代以前の史書編纂や歴史観を考える上で新しい知見をえる手がかりになるとおもわれる。」

拝受 日本における春秋史研究の現状と課題ほか2010/04/05 21:35

吉田章人、日本における春秋史研究の現状と課題、『歴史学研究』第830号、2007年8月。
吉田章人、魯・斉関係における婚姻と夫人、『史学』第78巻第3号、2009年10月。

吉田さんからいただいた。ありがとうございました。

拝受 明大寄託新収の中国北朝・唐代の墓誌石刻資料集―その紹介と解説2010/04/05 21:37

氣賀澤保規(編)『明大寄託新収の中国北朝・唐代の墓誌石刻資料集―その紹介と解説―』、明治大学東アジア石刻文物研究所、2010年3月。
氣賀澤保規、金仙公主と房山石経をめぐる諸問題―礪波護氏の批判に答えて―、『駿台史学』第139号、2010年3月。

前者は『古代学研究所紀要』第13号、2010年03月に収録された「特集」の紹介文、釈文、解説を「明治大学東洋資料叢刊」として別途、冊子体(総68頁)にまとめたもの。以下の紀要の特集部分で目次がわかる。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~meikodai/book_no_13.html

「氏が見せてくれるというそのものは、たくさんの建築資材が置かれている倉庫の一番奥の片隅に、それぞれダンボール紙で頑丈に包まれた状態で積み上げられていた。その数がかなりあることはわかっていても、薄暗いその場所では具体的に何か確認できない。・・・包みを解いてみて驚嘆した。正方形をした墓誌石であった。・・・年号を確認したところ、中国の北魏のものや唐のものがあった。全部で二三枚(点)が確認できた」

拝受 図説 直江兼続 人と時代2010/04/05 22:14

阿部哲人(編)『図説 直江兼続 人と時代』、天地人博2009実行委員会・米沢上杉文化振興財団、2010年3月。
http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/museum_shop_zurokusyosai.htm#0901

阿部さんからいただいた。ありがとうございました。こちらの事情で少々手元に届くのが遅くなり、紹介が遅れた。「天地人博2009」で企画展示された資料の内、320点を収載。フルカラーで十分すぎるほどのコンテンツである。

2007年にも図録『特別展 直江兼続』、米沢市上杉博物館(総127頁)が刊行されているが、その企画時は兼続の知名度は高いものでなく、まさかNHKドラマと重なるとは予期していなかった。某先生に「マニアックな」というお言葉をいただいた記憶がある。
 しかし、その後、関連資料は幅広く集められ、研究の精度もより高いものとなった。本図録は総351頁で2倍以上の増量となっており、写真も以前より大きく見やすい。小島毅、中野等、山田邦明、八鍬友広と寄稿している先生方の顔ぶれも豪華。

拝受 『唐人雑抄』について2010/04/07 01:54

池田温、『唐人雜抄』について、『東洋文庫書報』第41号、2010年3月。

 池田先生からいただいた。ありがとうございました。東洋文庫所蔵の『唐人雜抄』一巻についての解説・釈文。
 ちょうどわたしが関心を抱いていたことの参考となりそうである。

拝受 敦煌写本研究年報 第4号2010/04/07 21:31

高田時雄(主編)『敦煌写本研究年報』第4号、京都大学人文科学研究所・西陲発現中国中世写本研究班、2010年3月。

研究班からいただいた。ありがとうございました。原載は表記が正字だが、新字に統一させていただく。例年通りPDFが公開されるはず。
http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takata/xichui.html

高田時雄、蔵経音義の敦煌吐魯番本と高麗蔵
王三慶、『敦煌変文集』「下女夫詞」的整理兼論其與「呪願文壱本」、「障車文」、「駆儺文」、「上梁文」之関渉問題
高啓安、敦煌吐魯番文書中三等次供食問題研究
余欣、唐宋時期敦煌土貢考
金瀅坤、『俄蔵敦煌文献』中的西夏科挙-簡論唐宋西夏的科挙試論
永田知之、書儀と詩格-変容する詩文のマニュアルとして
山本孝子、敦煌書儀中的“四海範文”考論
中田裕子、唐代西州における群牧と馬の売買
岩尾一史、古代チベットの長さの単位:mda'とsor mo
Imre GALAMBOS、Another Hungarian looting China's tresures? Sir Aurel Stein,Lajos Ligeti and a case of mistaken identity
西村陽子・北本朝展、スタイン地図と衛星画像を用いたタリム盆地の遺跡同定手法と探検隊考古調査地の解明

興味深い論考が並ぶ。私個人がとくに関心のあるものをあげれば、高論文(生活史料を用いている)、余論文(本草書に関係する)、中田論文(ソグド商人に関係している)であろうか。

新収 魏晋南北朝昇天図研究2010/04/13 02:12

張倩儀(著)『魏晋南北朝昇天図研究』、商務印書館、2010年2月。

 まだ読んでないのでなんとも言えないのだが、馬王堆から仏教、道教そして祆教までが論じる対象にはいっていることは大変、興味深い。

 ただ対象が広いだけに現状ではなかなか深く論を展開するには難しい課題にもおもわれる。

新収 日本と道教文化 他2010/04/14 19:40

坂出祥伸(著)『日本と道教文化』、角川選書、2010年3月。
吉川忠夫・船山徹(訳)『高僧伝(三)』、岩波文庫、2010年3月。

 ともに一月前ほどに購入。なかなか精読する時間がないまま今日に至ったが、前者は道教について知らない人の興味もひくに違いないが、出土文献史料研究をすすめていくうえでも示唆するところが多いことは少し読んだだけでわかる。
 後者は、訳注で読めること自体がかなり贅沢な気がしている。