拝受 水経注疏訳注2011/08/18 19:15

財団法人東洋文庫中国古代地域史研究班(編)『水経注疏訳注・渭水篇(下) 』(東洋文庫論叢74)東洋文庫、2011年3月。

研究班からいただいた。ありがとうございました。研究班の講読会による成果である水経注疏の現代語訳を中心に、解説、テキストの影印、地図などが含まれる。

解説・論考部分は以下のとおり。

窪添慶文、魏晋南北朝時期の長安
池田雄一、『水経注疏』関係檔案と同書稿本
池田雄一・多田狷介・石黒ひさ子・山元貴尚、傅斯年図書館所蔵『水経注疏』関係の檔案
太田幸男、陳橋駅先生との会見記
多田狷介、西安考古訪問記

渭水篇(上)
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2008/05/23/3538371

以下個人的雑記
 昨年まではCO2削減、今年は節電など様々な理由が付いて、ここ数年、決まった期間に全教職員半ば強制的に休暇を取ることになっている。ただその施策には単に右向け右的な雰囲気を感じないでもないがやむを得ない。その間、きわめて短期間ではあったが帰省した。盆や法事を意識しなくてはならない身になったこともある。
 しばらく空調をつかわなかったためか、ろくに運動もせず歳ばかりとったせいか、新幹線のきつい空調や太平洋側の気候の落差には適応できなかったようで、ひどいめまいとともに体調を崩す。ついでに以前デスクトップを廃しメインマシンにしたノートがブルースクリーン頻発。なんとか窮地は脱したがOSが起動せず。MBRの破損かと思い、bootrec等のコマンドをつかったが起動せず。Windowsはいつも安全な機械なんてないことを勉強させてくれる。おかげでバックアップと代替準備は完璧。ただ使いやすい環境の再構築には時間がかかる。パフォーマンスが落ちたのは否めない。
 暑さと不安定な体調、そして焦燥感にさいなまれる。

拝受 『汝南先賢伝』の編纂について2011/08/18 23:05

永田拓治、『汝南先賢伝』の編纂について、『立命館文学』第619号、2010年12月。
永田拓治、周斐『汝南先賢伝』輯本、『大阪市立大学東洋史論叢』第17号、2010年12月。

永田さんからいただいた。ありがとうございました。
 これまで魏晋南北朝期の門閥社会における郷里意識の現れであるとか、各地域の自己顕示などと捉えられてもきた数多くの「耆旧伝」「先賢伝」といった著作(ほぼ散佚)のうち、まとまった佚文が確認できる『汝南先賢伝』をとりあげ、その性格を論じたもの。「故人の事蹟を記録した人物伝が当該社会においてどのように機能し、その社会的役割を果たしていたか」に焦点をあてて論じられている。門閥社会論のみならず史学史的にみても興味深い題材。
 後者はその輯本。逐条、注釈が付され、巻末に参考文献一覧、索引、地図などがつく。B5版で53ページにもおよぶ労作。