新収 水経注校証 ― 2007/10/16 22:12
陳橋駅校証『水経注校証』、中華書局、2007年7月。
北魏・酈道元撰『水経注』はそれまでに存在した『水経』に注をつけたもので、河川を基軸とした地理書である。ただ、宋代までに散佚がすすむと同時に本文と注の区別がつかなくなったとされる。
それで今までに様々な研究、テキストが作成され、本書の序にもあるように『水経注』研究を意味する「酈学」なる言葉まである。(こうした状況は『本草経集注』等にも似ている)
一般に優れた注釈のついた楊守敬・熊会貞『水経注疏』(江蘇古籍出版社本などがある)が便利とされてきたが、陳氏の解説によれば『水経注疏』は底本がよくないという。そこで本書は最良の底本である武英殿本に由来する四部叢刊本をもちい、さらにこれまでの日本や中国で行われてきた研究を参照の上、テキストを作成したとのことである。
なお、著者には『水経注』に関する著作が多数ある。
その整理過程を十分検証したわけではないが、研究とは何年もかかってようやく一つの形をなすものだと実感させられる。
北魏・酈道元撰『水経注』はそれまでに存在した『水経』に注をつけたもので、河川を基軸とした地理書である。ただ、宋代までに散佚がすすむと同時に本文と注の区別がつかなくなったとされる。
それで今までに様々な研究、テキストが作成され、本書の序にもあるように『水経注』研究を意味する「酈学」なる言葉まである。(こうした状況は『本草経集注』等にも似ている)
一般に優れた注釈のついた楊守敬・熊会貞『水経注疏』(江蘇古籍出版社本などがある)が便利とされてきたが、陳氏の解説によれば『水経注疏』は底本がよくないという。そこで本書は最良の底本である武英殿本に由来する四部叢刊本をもちい、さらにこれまでの日本や中国で行われてきた研究を参照の上、テキストを作成したとのことである。
なお、著者には『水経注』に関する著作が多数ある。
その整理過程を十分検証したわけではないが、研究とは何年もかかってようやく一つの形をなすものだと実感させられる。