新収 宋以前医籍考2007/10/17 18:42

岡西為人『宋以前医籍考』(1)-(4)、進学書局、1969年。

1 醫經、2 經方(上)、3 經方(下)、4 本草・雜纂の4冊構成。

 宋代以前の医薬典籍研究において、すでに部分的にこれを上回る著書がいくつか登場しているが、総合性においてはいまだに最高の著作だと思う。今までコピーを参照してきたが、ようやく入手できた。再版を待ち望んでいたが、この本は満州国時代にもとがつくられたため、偽満扱いで事情が許さないとも聞く。しかしネットで見るとその内容は中国でも高く評価されている。おおくはPDF等の類で出回っているのであろう。
 1958年の人民衛生出版社本もあるようだが、進学書局本は台湾・古亭書屋の発行にかかり、岡西の自序と受業者であった那琦博士の跋文がつく。たぶん最良のテキストである。

 この『宋以前医籍考』からすると同著者の『本草概説』は概説入門書といってよい位置づけ。『重輯新修本草』や『中国医書本草考』もそうだが、その校勘の精度の高さ、漢籍の知識の該博さには目を見張るものがある。

真柳先生の以下のページが参考になる。
http://www.hum.ibaraki.ac.jp/mayanagi/paper03/shohyo2.htm
http://www.hum.ibaraki.ac.jp/mayanagi/picture/03-8cmu/lib.html

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