新収 東洋史研究 第68巻第1号2009/07/14 17:44

『東洋史研究』 第68巻第1号、2009年6月。

石見清裕、唐代内附民族対象規定の再検討-天聖令・開元二十五年令より-
高田時雄、(紹介)『新獲吐魯番出土文献』上下二冊

 前者は、主に天聖令をもちいて、唐代の非漢族統治を論じたもの。

 「このような統治方法の相違には、その国家の性格が色濃く反映される」(p.2 、はじめに)。

 また、人間が集団や地理をどのように意識し、どこまでを内、どこからを外と捉えてきたかは様々な歴史事象を理解するうえできわめて重要である。次の一文に集約された解釈は今後、大きな論点のひとつになるだろう。

 「実は「唐令には「夷狄」なる概念は存在しなかった」(p.22)

 唐代史はもちろん日本史への波及は必至であろう。また現代中国を見るのにさえ影響があるかもしれない。なお、吐魯番文書(69TKM39:9/2(b),9/3(b))、敦煌文書(S.1344)も援用されている。

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