新収 直江兼続とその時代 ― 2008/05/14 20:29
渡辺三省(著)『直江兼続とその時代』野島出版、1980年。
最近ちまたでブーム(笑)らしい兼続の伝記のひとつ。
著者が最初に記しているとおり、木村徳衛の著書に依拠するところがおおく、その誤りも踏襲しているようだが、漢籍や漢詩に関する記事にかなり字数がさかれており、その見解には創見もおおい。また史料や参考文献だけでなく記述の根拠も明示されており、考証の是非はおいてもすぐれた伝記といえるだろう。
なお、木村徳衛(著)『直江兼続伝』は戦時中に刊行され、戦後にいくばくか非売品として再刊されただけだが、その後、刊行された伝記としてはこれを越えるものはない(もちろん、学術書やいくつかの専論は別格である)。一般に流布するおおかたの伝記は史料をみたというより、木村や渡辺の著書に依拠して書かれたとさえ思われる。
現在入手しやすいものでは渡辺三省『正伝直江兼続』あたりがなかなかなのかもしれない。ただ立ち読みしたかぎりでは、やはり木村の影響が強い感じはあった。
最近ちまたでブーム(笑)らしい兼続の伝記のひとつ。
著者が最初に記しているとおり、木村徳衛の著書に依拠するところがおおく、その誤りも踏襲しているようだが、漢籍や漢詩に関する記事にかなり字数がさかれており、その見解には創見もおおい。また史料や参考文献だけでなく記述の根拠も明示されており、考証の是非はおいてもすぐれた伝記といえるだろう。
なお、木村徳衛(著)『直江兼続伝』は戦時中に刊行され、戦後にいくばくか非売品として再刊されただけだが、その後、刊行された伝記としてはこれを越えるものはない(もちろん、学術書やいくつかの専論は別格である)。一般に流布するおおかたの伝記は史料をみたというより、木村や渡辺の著書に依拠して書かれたとさえ思われる。
現在入手しやすいものでは渡辺三省『正伝直江兼続』あたりがなかなかなのかもしれない。ただ立ち読みしたかぎりでは、やはり木村の影響が強い感じはあった。