新収 環東アジア研究センター年報2010/03/02 18:33

新潟大学環東アジア研究センター『環東アジア研究センター年報』第5号、2010年2月。

シンポジウム「金王朝とその遺産」と国際ワークショップ「東北アジアにおける社会的生活基盤の形成(I)」の記事が載る。

シンポジウムのほうだけ紹介。

佐藤貴保、哈爾濱金代文化展記念シンポジウム「金王朝とその遺産」-開催の趣旨
藤原崇人、栴檀瑞像の坐す都ー金の上京会寧府と仏教
榎並岳史、南宋の「帰正人」について

新収 菜根譚2010/03/04 18:14

湯浅邦弘(著)『菜根譚-中国の処世訓』(中公新書)、中央公論社、2010年2月。

 最初、タイトルをみたとき、これまでの著者のカバー範囲と異なる気がして、意外さを感じたが、実際、目を通してみると新しい切り口の菜根譚の解説書という感じで読みやすい。
 明代の書籍を解説するのに、一見関係がないようにおもえる楚簡・秦簡と近世大阪の懐徳堂の研究をまじえながら、隠し味に兵書という具合か。菜根の咀嚼力に驚嘆。

http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/04/21/4258131
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/11/18/2445236

拝受 チンギス・カンの戒め2010/03/04 18:49

白石典之(編)『チンギス・カンの戒め-モンゴル草原と地球環境問題』、同成社、2010年2月。

白石先生からいただいた。ありがとうございました。副題通りの内容。
執筆者は編者もいれると14名。(人数:修正しました)

松井先生のAbita Qur に同成社の紹介ページがリンクされている(追記)。
http://dmatsui.cocolog-nifty.com/abitaqur/

「私たちの目論みは、むずかしい方法や理論を提示すること、あるいは高額な機材を供与したり、莫大な資金を要するプロジェクトを組織したりすることではない。モンゴル高原に暮らす人びとに、祖先が草原とどのように向き合っていたかを思い出してもらい、もう一度草原を見つめ直してほしい、というメッセージを発信することだ」(はじめに、より)

新収 日本文庫史研究2010/03/04 19:34

小野則秋(著)『日本文庫史研究』上・下、臨川書店、1988年(改訂版三刷)

 日本の蔵書史研究の名著。戦前に出された一冊本もあって、内容には若干、異同がある。
 驚いたことに勤務先の図書館には上巻しかなくて、しばしば上京した際に某大図書館で下巻をみていたが、半年ほど前にたえきれずに購入。藩校の筆頭は米沢藩。
 この他に藩校毎の思想的総合的な研究をなした笠井助治の大著三点もあるが、実は文部省が明治初期に各県に出させた膨大な資料からなる『日本教育史資料』を批判的に読んでいくと、これら近世部分は結構書ける気もする。もちろん「批判的に」「肉付け」が、大変な作業な訳だが、その枠組みを大きく越えていないようにおもわれる。最近の県史や市史の記述もここにネタがあることがある。
 では実際にそれら文庫のどのような典籍が残っているのかが専門の研究者によって調べられたのはおおかたは戦後の話である。米沢の場合は少し古くて(經籍訪古志までいれると「かなり」か)、昭和四年に小川琢治、昭和十八年に武内義雄と中国学の研究者が続々と調査にはいったのが目立つ(川瀬のような文献学者も調査している)。それが昭和三十三年の内田智雄(編)『米沢善本の研究と解題』につながったわけである。
 ではそこ(個々の典籍)から、これまでの枠組みを検証しなおすと中国学でも書誌学でもない知識と社会の新たな関係がみえてくるのではないか。そうおもって自分はどのような典籍が「あったのか」「どう変遷したのか」を調べたわけである。
 実は敦煌文献というのも大半は典籍であって、その典籍が典籍としての意味をもっていた空間へと遡る方法はかなり相似する(はず)である。

拝受 鬼門の時間的・空間的考察2010/03/05 19:39

水野杏紀、鬼門の時間的・空間的考察-東北はなぜ鬼門とされたのか、『東方宗教』第112号、2008年。

 水野さんからいただいた。ありがとうございました。ひきつけるタイトル。敦煌文献の「宅経」への言及もある。

拝受 日本の村と宮座2010/03/09 18:35

薗部寿樹(著)『日本の村と宮座』(高志書院選書5)、高志書院、2010年3月。

 薗部先生からいただいた。ありがとうございました。
 研究者向けの一般書(総171頁、2500円+税)。
 「宮座(みやざ)」とは「神社または寺院などの場において祭祀をおこなう集団であり、祭祀のとりしきり役である頭役を宮座のメンバーが輪番につとめるという特徴」(本文より)をもっている。
 本の分類や研究手法は日本史に属すが、対象の性格上、宗教社会学、民俗学的要素も感じられる。

目次はこちら
http://www.koshi-s.jp/shinkan/100303_2-shinkan.htm

また、次のような修正をいただいた(追記)。
   誤 正
52頁(本文)15行目
 播磨国有馬郡 → 摂津国有馬郡
92頁(本文) 15行目
 南郡に二例  → 南郡に一例
139頁(引用史料)2行目 (子脱)
若王子大明神 → 若王大明神
139頁(引用史料)6行目
栩原祭り   → 大宮栩原祭り
139頁(本文)9行目
 五十間四方(約九九メートル) →五十間四方(約九一メートル)
141頁(引用史料)2~3行目
小房・弐ヶ村 → 小房弐ヶ村
141頁(本文)9行目
小房・弐ヶ  → 小房弐ヶ村

なお、以前にリンクのような関係論文をいただいている。
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/06/11/

勤務先でも刊行ラッシュがはじまりつつあるが、もう少しためておこう。

新収 史学雑誌 第119編第2号2010/03/10 20:27

『史学雑誌』第119編第2号、2010年2月。

福島恵、罽賓李氏一族攷-シルクロードのバクトリア商人
鈴木喜久子、ベンガル香料商人の変容-16世紀の物語詩を中心に

 福島論文はソグド人研究でもある。新史料に挑戦し、果敢に推論をめぐらした感じがある。鈴木論文とあわせると、この号(pp.36~76)はまるで「ユーラシア研究」という具合になっており「シルクロード」とか「東西交渉史」研究の先端を知りたいという人にはおすすめ(1040円)。
 この他、論文1本(16世紀パラグアイのヤナコナ)、書評2点など。書評は『戦国大名伊達氏の研究』、『先秦家族關係史料の新研究』をあつかっている。

関連:
「東西交渉史」カテゴリ
http://iwamoto.asablo.jp/blog/cat/china/
中国とインドの諸情報
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2007/12/17/2516681
海域アジア史研究入門
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2008/04/02/2936906

新収 敦煌古医籍校証 他2010/03/11 03:43

 ここ数年、敦煌医学関連でも新しい書籍が続々と刊行されている。置き場がないな、しかし買わないと忘れるからな、というジレンマの繰り返し。

拝受 百年敦煌学2010/03/11 17:47

劉進宝(主編)『百年敦煌学-研究・現状・趨勢』(上)(下)、甘粛人民出版社、2009年12月。

執筆者の一人である関尾史郎先生からいただいた。ありがとうございました。

 執筆者52人(1924年から1965年生まれ、大陸、台湾、日本)の敦煌学または吐魯番学に関する提言やその研究の要点がのべられている。分野は歴史、文学、宗教、思想、音楽、農業等多岐にわたっている。
 これまでの敦煌学の回顧録であると同時に今後の研究の展望をうかがわせる内容となっている。
 すでにこの分野に入っている人向けで、入門書ではない。

 50人余のタイトルを紹介するのは大変なので、ネット上のどこかに目次がないか探すが、いまのところ見つからない・・・。

拝受 集諸經禮懺儀 巻下2010/03/11 19:05

『集諸經禮懺儀 巻下』(日本古写経善本叢刊)、国際仏教学大学院大学学術フロンティア実行委員会、2010年2月。非売品。

国際仏教学大学院大学学術フロンティア実行委員会からいただいた。ありがとうございました。

この書き込みをしている際にはまだ情報が出ていないが、下の頁に掲載されるはず。
http://www.icabs.ac.jp/frontia/publishing.html

本書はそこにPDFがリンクされている「いとくら」5号末尾に近刊として紹介されている。
  「第四輯では『集諸経礼懺儀』巻下と、それに関連する『往生礼讃偈』の諸伝本を紹介する。『集諸経礼懺儀』は『開元釈教録』の編者である唐、智昇(―730―)が長安で流行していた礼懺儀を上下二巻に集録したものであり、今回取り上げる巻下には、初唐の善導(613―681)『往生礼讃偈』(「往生礼讃」「六時礼讃」)が全文収められている。」

 また「あとがき」に次のような箇所がある。
「この形式こそ最初期に存した唐代長安仏教の写経本に他ならないと推測したのであるが、なかなか周囲の人たちには理解してもらえなかった。けれどもある日を境に周囲の認識は突然変わった。」

 いくつかの箇所で敦煌写経への言及(『集諸経礼懺儀』自体は敦煌本にはないが)もあって、その古写経としての体例が注目を浴びていることがわかると、俄然、解説がおもしろくなる。

 執筆者は上杉智英、能島覚、梶浦晋、落合俊典。

第三輯以前
http://iwamoto.asablo.jp/blog/2009/03/27/4208610